2020年3月定例会 質疑(一般質問)
【太田】まず、生活保護行政とケースワーカーについてお伺いします。
本市における生活保護受給世帯は、2019年4月時点で4,851世帯です。日本国憲法第25条に、「すべて国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する」と規定されており、この生存権を保障するための制度の一つとして、生活保護制度があります。
生活保護業務に携わる現業員のことをケースワーカーと呼びます。現在、本市福祉事務所には、計54名のケースワーカーが配属されています。うち、正規職員は48名であり、社会福祉法で定められた標準数61名に対して13名の不足が生じています。
標準数とは、被生活保護世帯80世帯につきケースワーカーを1人配置しなければならないという規定に基づくものです。
昨年6月定例会において、本市の違法状態を5年を目途に解消していくとの市長答弁がありました。
ケースワーカーの大切な業務の一つに、訪問調査があります。訪問調査の目的は、受給者が在宅できちんと生活できているかを確認することにあります。DVを受けていないか、子供がいる場合は学校にきちんと通えているかどうか、生活状況に何かしらの問題があるようであれば、扶養義務者に対して援助を求めたり、施設や病院への入所を検討したり、関係機関と協力したりして問題解決に向けて取り組みます。
世帯ごとの課題に応じた具体的な援助方針を策定する大前提が訪問調査です。定期訪問の実施頻度については、1963年の厚生省社会局長通知で、1、訪問計画に基づく家庭訪問は少なくとも1年に2回以上、2、入院・入所者等については少なくとも1年に1回以上訪問することとされています。
2018年度、厚生労働省の事務監査結果通知によれば、高松市福祉事務所において、訪問計画に沿った訪問調査活動が実施されていない事例、1年以上の長期にわたり、訪問が行われていない事例、個々の世帯員の課題に応じた具体的な援助方針が策定されていない事例等、訪問調査活動の実施、及び援助方針の策定に多くの課題が認められたとあります。
これらのうち、訪問活動の実施については、2013年度の厚生労働省監査、県が実施した2014年度から17年度までの監査で、4年続けて是正指導を受けているにもかかわらず、是正改善が図られていないとされています。
この厚生労働省の監査を受けて、具体的に訪問調査活動の実施、及び適切な援助方針の策定を行うために、どのような改善策を講じてきたのか、お示しください。
過去1年間で、被保護世帯の中で一度も家庭内での直接面談ができていない世帯はありますか、お答えください。
単純に計算すれば、本市のケースワーカーが個別に抱える件数は1人当たり約100件となっていますが、丁寧で適切な訪問調査を行う上で、現在、ケースワーカーが個別に抱える件数についてどのようにお考えですか。
私のもとへも、生活保護に関する御相談は多く寄せられます。中でも、就労したくてケースワーカーに相談したけれど、うまく話がまとまらないというケースが散見されます。ここにもやはり、人員不足のしわ寄せが見られますが、加えて、ケースワーカーとしての経験や関連機関との連携など、専門性にかかわる課題もありそうです。
生活保護受給者のうち、引きこもっていた期間が長く、すぐに働く自信がない、働きたいがどうしたらいいかわからない、すぐに就職するのではなく少しずつ段階的に準備をしたい、コミュニケーションに自信がないなどの日常生活に悩みを抱えている方に対して、それぞれの状況に応じた支援プログラムを作成し、さまざまな不安を解消しながら、就労に向けた支援を行っています。これを、就労準備支援事業と呼びます。現在は、市内1施設において、主にハーブの採取・洗浄などの農作業や清掃活動に取り組んでいます。毎年度、30人前後がこの事業を利用し、うち約半数の方が就労開始につながっています。
就労を希望する生活保護受給者の方を就労へつなげることもケースワーカーの仕事の一つですが、現在は1施設のみで行われている就労準備支援事業について、今後の見通しをお示しください。
厚生労働省では、2018年から19年にかけて、生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会を開催し、2019年3月に報告書が取りまとめられています。
その中には、今回、本研究会において、生活保護を受給されていた当事者の方から、御自身の体験を伺う機会を得ることができたが、その方が語られた、精神障害者は働けないと決めつけられて、福祉事務所からは就労に関して何も支援は受けられなかった。ケースワーカーは、私が働きたいか、働きたくないかも知らなかったのではないかとの発言は、これまでの自立支援の取り組みが不十分であった点として、重く受けとめなければならないという一文があります。
今日的な自立の考え方は、対象者本人の自己選択・自己決定が基本であることからすると、これまでの取り組みが福祉事務所から見た課題の解消に向けた取り組みのみになっていないか、本人の意思が尊重され、それぞれ個人の抱える課題の解決に向けたものとなっているか、改めて、生活保護制度における自立支援のあり方について再整理が必要であるとされています。
研究会の報告書に対する本市の所見をお聞かせください。
社会福祉法第15条第6項では、ケースワーカーに社会福祉主事の資格が求められていますが、本市では29名のケースワーカーが社会福祉主事の資格を取得していません。約半数が社会福祉主事の資格を持たずに、ケースワーカーの業務を行っている事実に対する認識を改めてお伺いします。
資格取得においては、現業に支障を来さないよう、計画的に研修を進める必要があると思いますが、来年度、何名のケースワーカーが社会福祉主事資格取得の講習を受講する見込みか、お答えください。
さて、毎年度、ケースワーカー増員に関しては、私たちの会派における予算要望でも項目に入れているところですが、まずは、既に本市で非常勤嘱託として働き、実績のある社会福祉主事のうち、希望者を正規職員にすべきではないでしょうか。
また、福祉部門において、資格を有する社会人経験者の登用を積極的に行う考えについてお聞かせください。
また、ケースワーカーの人員構成が、若年層に偏り、ケースワーカー経験年数が3年未満の人が多く、これでは経験の蓄積ができていないと思われます。ケースワーカー職の延長を希望する職員は、長くケースワーカーを続けられる体制が必要だと考えますが、本市の考えをお聞かせください。
また、心身的に激務であるケースワーカーに対する心のケアについて、本市ではどのようにケアを行っているのか、お答えください。
憲法で定められている権利をしっかり守っていくためにも、誰ひとり取り残さない社会の実現のためにも、ケースワーカー不足は早期に解消すべきと考えますが、以上を踏まえて、ケースワーカーの今後の配置計画と、来年度予算でのケースワーカー増員見込みをお答えください。
【健康福祉局長】37番太田議員の質疑にお答え申し上げます。
生活保護行政とケースワーカーのうち、厚生労働省の監査を受けて、具体的に、訪問調査活動の実施、及び適切な援助方針の策定を行うために、どのような改善策を講じてきたのか、についてでございますが、本市におきましては、平成30年度に実施された厚生労働省の生活保護法施行事務監査において、訪問調査活動の進行管理や、個々の世帯員に応じた具体的な援助方針の策定について、是正が必要との指摘を受けたところでございます。
まず、訪問調査活動につきましては、訪問の進行管理台帳を、ケースワーカー・係長・管理職が共有し、組織的に進行管理を行うよう改善いたしましたが、本年度の香川県事務監査において、生活実態の把握が不十分との指摘を受けましたことから、今後、さらなる改善が必要であるものと存じます。
一方、適切な援助方針の策定につきましては、ケースワーカーに対し、個々の世帯の課題に応じた具体的な援助方針が策定できるよう、課内研修や、診断会議等を通し、指導を徹底して行った結果、本年度の事務監査では、援助方針の策定に関する指摘はなく、改善が図られたものと存じます。
次に、過去1年間で、被保護世帯の中で、一度も家庭内での直接面談ができていない世帯はあるのかについてでございますが、訪問はしたものの、不在であった場合の再訪問等による面談ができていない事例があり、本年度の事務監査において、電話をしてから再訪問するなど、家庭内面談に努めるよう指導されたところでございます。
次に、現在、ケースワーカーが個別に抱える件数についての考えでございますが、社会福祉法に定める基準は、ケースワーカー1人当たり80世帯でございますが、本市におきましては、約100世帯を担当するなど、適正な人員配置とは言えない状況でございます。
次に、就労準備支援事業の今後の見通しについてでございますが、同事業は、現在、作業内容が、主に農作業等に限定されていること、また、実施事業所も1施設に限られていることが課題であるものと存じます。
今後におきましては、受給者の希望する職種の選択肢をふやすために、幅広い業種の団体や企業等に参画いただけるよう積極的に働きかけ、新たな事業所の開拓に努めるなど、多くの受給者が本事業に参加できる環境を整え、就労や社会生活の自立につなげてまいりたいと存じます。
【大西市長】 生活保護受給者に対する就労支援のあり方に関する研究会報告書に対する所見についてであります。
御紹介いただきました報告書は、一般就労に向けて高齢化やひきこもりなど、課題を抱える受給者に対して、効果的な就労支援を行えていないといった現状が示されるとともに、働くことは、収入を得ることのほかにも、社会とのつながりや、やりがい・達成感を得ることも重要な要素であるとの考え方に基づき、本人の状況や意向に応じ、多様な働き方に向けた就労支援の見直しの方向性が取りまとめられたものであると存じます。
現在、本市におきましては、対象者の個々の心身の状況を確認した上で、稼働年齢層の方に対しては、就職活動の必要性を説明し、就労支援を行っているところでございます。
今後におきましては、本報告書の内容を真摯に受けとめ、示されております見直しの方向性に沿って、世帯や個人の状況を、さらに的確に把握する中で、受給者の立場に立った、より効果的な就労支援に取り組むなど、受給者のさらなる自立につなげてまいりたいと存じます。
【健康福祉局】約半数が社会福祉主事の資格を持たずにケースワーカーの業務を行っている事実に対する認識についてでございますが、本市では、これまで、社会福祉主事資格を持たずにケースワーカーとして配属された職員に対しましては、資格認定通信課程を受講して、資格を取得するよう、促しているところでございますが、対象者全員の資格取得には至っていない状況でございます。
さらに、これまで、厚生労働省や香川県の事務監査においても、改善の指導を受けており、早期にケースワーカー全員が主事資格者となるように努めなければならないと認識しているところでございます。
次に、来年度、何名のケースワーカーが、社会福祉主事資格取得の講習を受講する見込みか、についてでございますが、令和2年度におきましては、10名程度が受講できる見込みでございます。
今後におきましては、業務に支障が生じないよう、かつ、計画的に受講できるよう配慮する中で、対象者全員が資格取得できるよう努めてまいりたいと存じます。
【総務局長】福祉部門において、資格を有する社会人経験者の登用を、積極的に行う考えについてでございますが、本市では、福祉部門の体制の充実を図るため、平成12年度から、社会福祉士の資格を持つ専門職員を採用し、ケースワーカーとしての配置も行っているところでございます。
今後は、資格を有するケースワーカーの拡充を図るため、御質問にもございました経験者の採用を含め、幅広く人材の確保が図られるよう取り組んでまいりたいと存じます。 次に、ケースワーカー職の延長を希望する職員は、長くケースワーカーを続けられる体制についてでございますが、本市では、コンプライアンスの観点等から、人事異動の基本サイクルを原則4年としております。 特に、ケースワーカーにつきましては、精神的にも負担の重い業務でありますことから、おおむね3年から4年程度で異動させている状況にございます。 しかしながら、御指摘のように、ケースワーカーは、経験の蓄積も必要と存じますことから、職員の希望がある場合には、在課年数の延長を行っているところでございます。 次に、ケースワーカーに対する心のケアについて、どのようにケアを行っているのかについてでございますが、本市では、職員の心身のケアを行うため、産業医による健康・悩みごと相談や専門カウンセラー等によるメンタルヘルス相談を定期的に実施いたしておりますほか、随時、産業医や保健師による面談も受け付けているところでございます。ケースワーカーにつきましても、この中で対応しているところでございます。 次に、ケースワーカーの今後の配置計画と、来年度予算でのケースワーカー増員見込みについてでございますが、御質問にもございますとおり、現在、ケースワーカーにつきましては、社会福祉法に定められました標準数を13名下回っている状況でございまして、可能な限り早期に、法に定められた標準数を満たすよう、社会経済情勢や、被保護世帯数の推移を見きわめる中で、今後5年間を目途に増員を行ってまいりたいと存じます。 このような配置計画の中、来年度は、3名の増員を行ってまいりたいと存じます。 項目1の答弁は、以上でございます。 【太田】 (2)直接面談できていない世帯について、再質疑をします。 直接面談できていない世帯があるとの御答弁でしたが、何件・何世帯ぐらいが直接面談できていないのか、その後、どういうふうに対応したのかは監査の是正指導にもつながる部分ですので、もう少し具体的に御答弁をお願いします。 (2)過去1年間で、直接面談できていない世帯について、再度お伺いします。 【健康福祉局長】 37番太田議員の再質疑にお答え申し上げます。
生活保護行政とケースワーカーのうち、過去1年間で、被保護世帯の中で、一度も家庭内での直接面談ができていない世帯はあるのか、についてでございますが、訪問はしたものの、不在であった場合の再訪問等による面談ができていない事例が複数件あり、本年度の事務監査において、電話をしてから再訪問するなど、家庭内面談に努めるよう指導されたところでございますことから、今後、適切に対応してまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。
【太田】 監査指導が入っているわけですので、件数把握をしっかりお願いします。
次に、新たな住宅セーフティネット制度についてお伺いします。
低額所得者・被災者・高齢者・障害者・子育て世帯などは、家賃滞納・孤独死、子供の事故・騒音等への不安から、賃貸住宅への入居を拒否されることがあります。これらの世帯を住宅確保要配慮者と定義づけ、国において、住宅確保要配慮者と、ふえ続ける空き家とをマッチングさせる取り組みとして、新たな住宅セーフティネット制度が、2017年、国土交通省の鳴り物入りで始まりました。
賃貸住宅の賃貸人は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない住宅として、都道府県・政令市・中核市にその賃貸住宅を登録することができます。都道府県等では、その登録された住宅の情報を住宅確保要配慮者に広く提供します。その情報を見て、住宅確保要配慮者の方々が、賃貸人の方に入居を申し込むことができるという仕組みです。賃貸住宅を登録する際には、その規模・構造等について一定の基準に適合する必要があります。例えば、耐震性や住戸の床面積、台所・食事室・トイレ・浴室・洗面所等を適切に設けることなどです。
なお、この登録基準については、地方公共団体が供給促進計画を定めることによって強化、また、緩和をすることも可能です。登録の際には、入居を拒まない住宅確保要配慮者の範囲を限定することもできます。例えば、障害者の入居は拒まないとして登録したり、高齢者・低額所得者・被災者の入居は拒まないとして登録したりすることができます。なお、長屋や集合住宅については、住戸単位での登録が可能です。
新たな住宅セーフティネット制度では、登録住宅の改修への支援と、入居者の負担を軽減するための支援が用意されています。登録住宅の入居者への経済的支援としては、家賃と家賃債務保証料の低廉化に対する補助があります。いずれも、入居者を住宅確保要配慮者に限定した登録住宅に、低額所得者が入居する場合に、地方公共団体と国が協力して補助を行うものです。
このように、豊富なメニューやしっかりとした枠組みであると同時に、空き家解消と福祉の視点という事業体系に私は大いに期待をしていました。
2018年に実施された住宅・土地統計調査によると、高松市の空き家総数は3万7,800戸と急激な増加傾向が見られますが、新たな住宅セーフティネット制度開始から約2年、高松市内での登録住宅はハイツタイプの5部屋のみです。また、高松市を含む香川県内では7部屋です。
一方で、市営住宅の募集は倍率が年間を通して、2018年度は5.64倍、2019年度は2.77倍、3月募集分を除くと、依然高倍率であり、低廉で安心して暮らしを送ることができる住宅を求めている市民の方が多いことがわかります。
先ほど述べた支援のうち、本市においては、国による直接補助のメニューのみを導入していますが、これまで新たな住宅セーフティネット制度を活用して入居した方は何世帯いるのか、お答えください。
登録戸数の数から見ても、本市における制度の広がりが十分ではないことがうかがえます。他方、例えば大阪府7,850戸、福岡県1,734戸、宮城県1,199戸など、多くの登録住宅がある自治体もあり、その格差は顕著です。
本市において、新たな住宅セーフティネット制度が広がっていない要因を、どのように捉えていますか、お答えください。
以前、市営住宅の落選者に新たな住宅セーフティネット制度について周知する旨の答弁がありました。それ以降、周知啓発に努めていますが、落選者の制度利用は進んでいないようです。
住宅確保要配慮者向けの民間賃貸住宅等の情報発信・紹介・住宅相談サービスの実施、家賃債務保証制度・安否確認サービス等の紹介を行う居住支援協議会の設立が、地方公共団体・不動産関係団体・居住支援団体等の連携により、全国で進んでいます。入居者が退去した際の課題の一つである家財・遺品整理に取り組む協議会もあります。
また、全都道府県及び49市区町に設立されている居住支援協議会が行う住宅確保要配慮者に対する民間賃貸住宅等への入居の円滑化に関する取り組みには、国からの予算的支援もあります。
高松市における、居住支援協議会設立の考えをお聞かせください。
先日、この新たな住宅セーフティネット制度について、市民の方から御意見を伺う機会がありました。自分が貸し主の立場に立ってみると、貸したいという気持ちはあっても、例えば孤独死の問題や、障害を持つ方に合わせて改修した住宅をその方が出ていった後、原状復帰はどうするのか、そういった懸念事項が多い。細かいところまでセットにして貸し出すことを条件にしてくれれば、登録件数も伸びるのではないかという声が聞かれました。
そこで最後に、単身高齢者の入居が多くなることへの対応など、本市における新たな住宅セーフティネット制度の今後の取り組みについてお示しください。
【都市整備局長】新たな住宅セーフティネット制度の活用のうち、これまで、同制度を活用して入居した世帯数でございますが、平成29年10月に施行されました、いわゆる住宅セーフティネット法に基づき、高齢者や低所得者・子育て世帯等の、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅の登録制度など、民間賃貸住宅等を活用した、新たな住宅セーフティネット制度がスタートしております。
本市では、制度の運用開始からこれまでに、5件の登録を受け付けており、このうち、国が開設しているセーフティネット住宅情報専用ホームページにおいて、4世帯が、住宅に入居中であることを確認いたしております。 次に、同制度が広がっていない要因を、どのように捉えているのかについてでございますが、この制度は、住宅確保要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅として、登録を行った住宅を対象としているものでございます。 登録を行う賃貸人は、登録物件が、床面積や耐震性など、一定の基準を満たす必要があることや、入居者を要配慮者に限らず、幅広く対象としたいと考えていることなどが、制度の登録が広がっていない要因であるものと受けとめているところでございます。 次に、居住支援協議会設立の考えについてでございますが、現在、本市では、県が設立し、宅地建物取引業協会などの関係団体や、県内市町で構成された香川県居住支援協議会に参画し、相互に連携を図りながら、住宅確保要配慮者の入居に配慮した住宅情報の提供や、制度の周知に取り組んでいるところでございます。 まだ、御指摘の、入居者が退去した際における原状回復などの課題につきましては、協議会の構成メンバーであるNPO法人などの居住支援団体において、一定の対応が図られておりますことから、現在のところ、本市において、居住支援協議会を設立する考えはございません。 次に、同制度の今後の取り組みについてでございますが、本市では、30年9月に、新たな住宅セーフティネット制度に係る、登録手数料を無料とする関係条例の改正を行い、登録促進に努めているところでございます。 しかしながら、先ほども申し上げましたように、登録件数は伸び悩んでいる状況でございまして、本市といたしましても、御指摘をいただきましたように、今後、需要が見込まれます、単身高齢者などに対する住宅セーフティネット制度を構築していく必要があるものと存じております。 このため、本市では、県とも連携を図りながら、高齢者が終身にわたり、安心して賃貸住宅に居住することができる終身建物賃貸借事業の運用を、本年4月から、開始することといたしております。 本市といたしましては、今後とも、終身建物賃貸借事業などを含む住宅セーフティネット制度について、県が設立しております居住支援協議会などと連携を図りながら、貸す側・借りる側の双方に、わかりやすい制度の周知に努めていくことなどにより、単身高齢者などの要配慮者に対する住宅の確保を促進してまいりたいと存じます。 項目2の答弁は、以上でございます。
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