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議事録

2019年9月定例会 討論

市民派改革ネットを代表して、今定例会に提出されている議案に対する討論を行います。  

まず、議案第139号令和元年度高松市一般会計補正予算(第2号)中、行政改革推進費1,823万9,000円についてです。  この補正予算は、そもそも6月4日決定のマイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針の普及策に掲げられている、消費税対策としての自治体プレミアムポイント事業の事前準備業務の委託費でした。  ところが、議案提出後、国は自治体ポイント事業からマイナポイントを活用した消費活性化策に大きく変更したにもかかわらず、本市は今年度にマイキーIDの設定支援などの利用環境の整備は変わらないから、問題はないとしました。しかし、大もとの事業は、消費税率引き上げに名をかりた、ばらまきにほかなりません。  来月から来年6月までのキャッシュレス決済へのポイント還元を実施した後、マイナンバーカードを持つ人を対象にスマホのQRコードなど、キャッシュレス決済でのポイント還元を新たに行うというものです。  本市もそうですが、国は低迷するマイナンバーカードの取得を促そうと躍起になっていますが、ポイントで国民の気を引こうとするのは問題です。よって、本補正予算には反対です。  

次に、県施行港湾建設事業地元負担金2億8,660万8,000円並びに高松港計画調査費負担金240万円のうち、朝日地区に係るものについてです。  椛川ダムについては、ダム建設の計画がされた約30年前から考えると、人口減少や節水意識の高まりなどによる水需要や供給予測に多くの問題がある中、440億円もかけて整備が進められています。さらに、平成30年7月豪雨による災害で、コンクリートのダムに頼っている治水のあり方が大きく問われました。  椛川ダム・高松港多目的国際ターミナル3万トンバースともに、不必要な県施行の事業に対する本市負担であることから反対です。  

次に、議案第146号高松市特定教育・保育施設及び特定地域型保育事業の運営に関する基準を定める条例の一部改正について、及び議案第148号高松市子どものための教育・保育給付に係る利用者負担額を定める条例の一部改正についてです。  子ども・子育て支援法の一部改正により、10月から幼児教育・保育の無償化が実施されようとしています。しかし、全ての3歳から5歳児は無償と言いながら、対象から外れる人もかなりいます。また、これまで保育料に含まれていた副食費を無償化の対象外にするなど、非常にややこしく、中途半端な制度設計にしてしまいました。さらに、10月から開始としながらも、法が改正されたのは5月末であり、その上、国は省令改正で条文の80カ所近く間違うという前代未聞のミスを起こしています。  また、議案質疑でも触れましたが、10月以降の公定価格案では、3歳児以上の公定価格の基本分単価から副食費4,500円に、物価調整額681円を加えた5,181円が減額されようとしましたが、全国市長会の一部の首長の頑張りで、国は2日前の9月18日という、ぎりぎりになって物価調整額の減額を撤回すると発表しました。このように、無償化に関する一連の問題が、保育の現場で混乱を招いています。  幼児教育・保育の無償化により、サービスの需要はさらに増大するのは目に見えています。子供の安全や保育環境を守り、質のよい保育を実践する施策は無償化なのでしょうか。  そもそも、市長会を初めとする自治体からの要望で始まった施策ではありません。無償化の財源も消費税増税分を充てていることから、これまでの国のお金の使い方を見ていると、国が責任を持って対応していくのか、大いに疑問です。無償化よりも優先して保育の質の向上、保育士の処遇改善に関する施策を行うべきと考え、本条例改正には反対です。  

次に、議員提出議案第12号高齢者の安全運転支援と移動手段の確保を求める意見書についてです。  近年、高齢者による重大な交通事故がふえています。年齢を重ねれば、認知機能の衰えや判断能力の低下、視野が狭くなるなど、どんなに気をつけているつもりでも、事故を起こしやすくなることは否定できません。  確かに、衝突被害軽減ブレーキやペダル踏み間違い時加速抑制装置等、近年の技術の開発は急速に進んでいます。しかし、技術だけで事故がなくなることはありません。  大切なのは、車がなくても困らない、例えば、公共交通や福祉タクシーの充実、基盤整備こそが今求められている社会ではないでしょうか。さまざまな装置を搭載してまで、車に頼らなければならない社会は、私たちが目指す環境とは大きく異なることから、本意見書には反対です。  

次に、議員提出議案第13号2019年10月の消費税増税中止を求める意見書です。  2014年、消費税が5%から8%に引き上げられる際、張り出された政府公報のポスターには、消費税率の引き上げ分は全額社会保障の充実と安定化に使われますとはっきりと書かれていました。しかし、実際はどうでしょうか。増税分の使い道のうち、8割は借金の穴埋めに回されました。  ことし5月に開催された消費税増税のリスクに関する有識者会議では、40名の有識者コメントを一つずつ解説し、15名の有識者による意見交換を経て、4点の合意事項を発表しました。1、現時点は、消費増税のタイミングとして最悪である。2、そのタイミングでの消費増税は日本経済に対してマクロ・ミクロ両面から破壊的影響を与える。3、その結果、消費増税の目的である財政再建の基準からして最悪の悪影響が生ずる。4、それらに加えて、消費増税には公平性の観点から極めて深刻な問題があるというものです。多くの有識者、また、国民が消費税の問題点を指摘し、増税に反対しています。  消費増税は、低所得の人ほど負担がふえ、ただでさえ苦しい生活に拍車をかけることになります。プレミアム付商品券の発行やキャッシュレス決済におけるポイント還元で救済策をとっているつもりかもしれませんが、ほんの一時的な措置にすぎず、効果も不透明です。  このようなことから、住民の暮らしに打撃を与える消費税増税は中止すべきであり、本意見書は採択すべきと考えます。  

次に、議員提出議案第14号LGBT/SOGIに関する差別のない社会環境整備を求める意見書です。  8月25日、中四国で初めてとなるレインボーパレードが丸亀市で開催されました。また、8月27日からは、2018年10月に写真家レスリー・キー氏が高松市で撮影した写真を中心に、香川県にゆかりのあるLGBTQ+のポートレート写真展示が行われました。  一方、SOGIとは、どの性別を好きになるか、ならないかをあらわす性的指向──セクシュアル・オリエンテーション、自分の性別をどう認識しているかをあらわす性自認──ジェンダー・アイデンティティーの頭文字をとった言葉で、私たち全ての人の属性です。LGBTという言葉、また、存在が社会に徐々に浸透しつつあります。そこで起こっていることは、LGBTとLGBTではない人を比べたときに、一方には権利があり、他方にはそれがないという不均衡です。LGBTという人たちを守りましょうではなく、全ての人が持っているSOGIという属性にかかわらず、平等に扱いましょうという視点での議論が今後は必要になると考えます。  国際的な人権条約に日本は批准していますが、実際に実行しているかをチェックする4年半に1度の審査では、日本はSOGIに関する勧告を第1回に1件、第2回に5件、第3回に13件受けており、増加をたどっています。例えば、差別禁止法がきちんと法制化されないといけないとか、地方自治体や民間企業における取り組みを推奨する必要があるなどです。  本意見書が審査された総務常任委員会においては、さきの参議院議員選挙で自民党がLGBT施策を訴えて勝利したので、意見書を出す必要はないとの意見がありました。何でも国任せにするのではなく、地方から声を上げていくことの重要性を軽視した発言です。また、バイセクシュアル──両性愛者は欲深いという差別発言ともとれる意見も出ました。こういった人権意識の低さが、世の中の差別を生み出す根源にあるのです。  本意見書は、私たち全ての人間の人権にかかわる意見書です。市民一人一人に寄り添っていく立場の地方議会から意見書を提出するべきであると考え、本意見書には賛成です。  

次に、議員提出議案第15号柔軟仕上げ剤等家庭用品に含まれる香料の成分表示や法規制の検討等を求める意見書です。  6月14日に開催された第198回国会消費者問題に関する特別委員会第4号では、立憲民主党初鹿議員が、柔軟仕上げ剤等の成分表示について質疑を行っています。対する宮腰前国務大臣の答弁は、まずは事業者による自主的な取り組みを注視しつつ、例えば、各地の消費者等から寄せられている香りに関する御意見・御相談などのうち、事業者が取り組みを進めていく上で有益と考えられる情報があれば、必要に応じて、それらを事業者に提供していくことも検討したいというものでした。  ことし3月の高松市議会定例会で同内容について取り上げた後、高松市内の公立小中学校には、香料についてのお知らせのプリントが配付されました。非常に迅速な対応であり、一人でも多くの保護者の方が問題について知るきっかけになればと思います。  しかし、これだけでは解決しないのが香害の問題です。事業者任せにするのではなく、まずは国において健康被害の実態調査など、必要な調査研究を行い、香料の成分表示の義務づけや法的規制について検討することが必要です。  また、まだまだ社会的に認知度が低いことから、さらに広い周知啓発が求められます。  さらに、現在、柔軟仕上げ剤は家庭用品品質表示法の規制対象外となっています。これは、平成8年から9年にかけて開催された当時の消費経済審議会品質表示部会化学品雑貨分科会において検討された結果です。言うまでもなく、それから20年以上が経過し、販売されている柔軟仕上げ剤の種類は爆発的にふえています。当時は、規制を行うべき苦情の実態がなかったことから、家庭用品としては定められませんでしたが、現在の消費生活センターへの相談・苦情の状況を鑑みると、家庭用品としての早急な指定が必要です。  よって、本意見書は採択すべきと考えます。  

最後に、継続審議になっていました議員提出議案第11号高松市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正についてです。  2015年9月定例会に、私たちは、議員が本会議や委員会に出席した際に、報酬とは別に支払われる費用弁償、1日6,000円から6,500円について廃止する条例改正を提案しましたが、何の根拠もなく、公用車使用の有無に関係なく、一律3,000円とし、制度を維持し続けています。  本条例改正を審議した議会運営委員会では、条例に基づいて支給しているのだから、日額でも問題はない。さらには、費用弁償は当然必要、廃止することは結果的に議員のなり手不足につながる、もとの額に戻すべきだとの意見が出されました。費用弁償のあり方について、根本的な議論が展開されることがなかっただけでなく、費用弁償が市民の方が納めた税金から支給されているにもかかわらず、市民感覚からずれたもので、非常に残念でなりません。私たちの会派は、本市議会において、費用弁償を条例化した経緯に問題があると指摘をし続けてきました。  一方で、見直しをしてきた多くの地方議会では、費用弁償は議員が名誉職であった時代の名残でしかないことや、費用弁償の規定の曖昧さを利用し、報酬の二重払いを続けていることを問題視しているのです。  よって、議員提出議案第11号には賛成です。  

以上で討論を終わります。


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