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議事録

2016年12月定例会 討論

 市民派改革ネットの太田安由美です。会派を代表して、今定例会に提出されている議案に対する討論を行います。  まず、議案第113号平成28年度高松市病院事業会計補正予算(第1号)、議案第114号平成28年度高松市水道事業会計補正予算(第1号)、議案第117号高松市長等の給料その他給与支給条例の一部改正について、議案第118号高松市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について、及び関係する議案第108号平成28年度高松市一般会計補正予算(第3号)について反対討論を行います。  これらは、市長等の特別職及び議員の期末手当増額に関するものです。このたびの増額が人事院勧告に伴うもので、職員は人事院勧告に準拠したものであると理解できます。  しかし、非常勤特別職である議員の議員報酬は、常勤職員の給料とは法的位置づけが違うにもかかわらず、なぜ人事院勧告を準拠する必要があるのでしょうか。  この問いには、これまでも、先日の委員会審査においても、議員の期末手当も市長等特別職との均衡を図る必要があるとのことで、明確な回答には至っていません。  本市では、毎年、市長及び副市長の給料の額、議員の報酬の額、政務活動費の額については、「高松市議員報酬、市長及び副市長の給料等審議会」(以下「審議会」とします。)に諮問し、審議されていますが、期末手当は審議内容の対象外ということになっています。  しかし、毎年のように特別職及び議員の期末手当増額について議案提出されていますが、審議会の審議も経ず、いわば、お手盛り的に増額が決定されている現状は、市民の意識と大きくかけ離れています。  増額する一方の当事者である市長が提案して、もう一方の当事者である議会が議決するという構造は問題です。  財政が厳しいからと、行政改革の名のもとで市民に対して、さまざまなサービスを削減したり、負担をお願いしたりしている現在、市民の目の届かない形で特別職や議員の期末手当を増額することは許されません。  よって、市長等の特別職及び議員の期末手当増額に関するこれらの議案について反対します。  次に、議案第108号平成28年度高松市一般会計補正予算(第3号)中、臨時福祉給付金給付事業費補助金について反対討論を行います。  これは、国の補正予算に伴う措置等で、臨時福祉給付金を消費税が増税される2019年10月までの2年半分の給付金、1年当たり6,000円を先払いの形で支給しようとするものです。  今、受け取った1万5,000円を2年半後の消費税増税のために手元に置いておける人がどれだけいるでしょうか。  これまでの定額給付金による経済効果の検証も十分に行われているとは言えず、経済の底支えという名のもとの単なるばらまきとしか言いようがありません。  現金を給付して、その場しのぎで終わるのではなく、生活者一人一人が、今何を必要としているのか、今どのような行政サービスが足りていないのかということに目を向けることこそが、本来の政治の役割です。  また、2016年3月定例会の討論の中でも申し述べたとおり、臨時福祉給付金給付事業は、自治体が自由な裁量で行える自治事務であるにもかかわらず、なぜか国に縛られながら全国一斉に実施していくという、地方分権からはかけ離れた制度になっています。  当事業に係る合計約14億円の予算があれば、保育士不足の解消や放課後児童クラブの充実など、幾つもの事業を行うことができます。  また、臨時福祉給付金給付事業に伴う職員の業務量の増加も懸念されます。  以上のことにより、当該予算、給付金給付費12億283万5,000円並びに給付金給付事務費1億913万円に反対します。  なお、同補正予算中、児童福祉施設整備事業については、保育士の確保と処遇改善を前提に予算執行に当たるべきであることを申し添えておきます。  次に、議案第116号高松市手数料条例の一部改正について反対討論を行います。  マイナンバーカードを使ってのコンビニ交付サービスに戸籍の記録事項証明書等の交付を追加するものですが、その前提であるカード交付件数は、本市においては3万枚余りで、全国的に見ても1割に満たない惨たんたる状況です。  コンビニ交付サービスが市民のより身近な場所で住民票の写しなどを取得することができ、利便性が向上するといっても、本市と同様にコンビニ交付ができる自治体は、11月1日現在、283自治体で、全自治体のたった16%にすぎない状況です。  それは、システム構築やコンビニに支払う手数料など、多額の税金をかけて実施する必要性が感じられない、また、限られた対象者へのサービスにすぎないという判断からではないでしょうか。  よって、費用対効果の低いコンビニ交付そのものに反対であることから、本条例改正には反対です。  次に、議案第125号高松市農業委員会の委員及び農地利用最適化推進委員の定数を定める条例の制定について反対討論を行います。  今回の条例改正は、農協・農業委員会・農業生産法人の3点セット改革のうちの一つに位置づけられています。いずれも、戦後農政の基盤を崩すという点で共通しています。  すなわち、地域の農業者で構成される団体が農業生産や農地管理をみずから行う自治と、農業者の声を農業政策に反映させる民主システムを解体していく非常に危険な流れとなっています。  農業委員会は、戦後間もなく農地委員会・農業調整委員会・農業改良委員会の3組織を統合して発足しました。戦後71年の間に、委員会の担う役割も時代とともに変化を遂げてきました。現在の農業委員会の基幹的な事務は、農地の売買・賃借など権利移動の許可、農地転用許可に関する都道府県知事への意見具申、農地のあっせん、農業政策に関する行政庁への建議、意見公表ですが、2004年の農業委員会法改正で農地の利用集積と農業経営の法人化推進なども法定業務に加わりました。  また、2009年と2013年の農地法改正では、農地の利用状況調査や遊休農地の所有者に対する指導・勧告、人・農地プラン作成への関与、農地台帳の整備・公表なども担うことになりました。  今回の条例改正では、農業委員は市町村長が議会の同意を得て任命することになります。従来の選挙委員は、区域内に居住し、一定面積で耕作を営んでいることが条件でしたが、その要件もなくなります。  最も懸念されるのは、首長の恣意的人選によって偏った農地行政が行われてしまうことです。  経済環境常任委員会での審査の中で明らかにされたように、市内の耕作放棄地は毎年、農業委員会の努力によって一定面積が解消されているものの、その解消面積を超える新たな耕作放棄地の発生により、全体で見るとふえ続けているのが現状です。  今回の改正は、企業の参入機会拡大や地方自治体の裁量権強化に主眼があり、資本の論理や開発圧力の増大が懸念されます。  本議案は、地域や農地を守ることから大きくかけ離れており、条例改正には反対します。  以上、今定例会に提出されている議案に対する討論を終わります。


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