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議事録

2016年3月定例会 臨時福祉給付金事業費について 反対討論

議案第14号臨時福祉給付金事業費13億8,120万7,000円について、会派を代表して反対討論をいたします。  初めに申し述べておきますが、今回の3万円の給付が生活の足しになる、助かるという高齢者が数多く存在することは百も承知です。  物価、特に生活に最も必要な食材の値段は高騰を続けています。夕飯の買い物に行って、なるべく抑えて抑えて買い物をしたつもりでも、レジを通ると2,000円、3,000円を超えてしまうことが最近多くあります。そんな中での現金3万円給付は魅力的な面もあるでしょう。  しかし、それが本当に政府の言う一億総活躍社会の実現につながり、個人消費の下支えになるのでしょうか。  今回の給付の一方で、子育て世帯臨時特例給付金は廃止されます。多くの子育て世代の市民から強い反発の声が上がっています。アベノミクスにおける賃金引き上げの恩恵が及びにくい所得の低い高齢者のための手当てと政府は言いますが、アベノミクスは高齢者だけのものではありません。若者や子育て世代にも低所得で生活が苦しい人は多く、なぜ対象が高齢者だけなのかと自民党内からも批判が出たことは記憶に新しく、また当然のことです。  そもそも、政府は2015年秋から実施予定だった消費税の10%引き上げに伴い、月額基準額5,000円の年金生活者支援給付金を給付予定でした。しかし、増税の先送りで給付金支給も延期、今回の臨時福祉給付金はこの年間6万円給付の前倒しと言えます。しかし、一定の収入があるとして当初対象外だった500万人を今回の給付には加えています。この時期に高額臨時給付を行うことは、夏に選挙を控えた単なるばらまきとしか見えません。  また、ここへ来て、2017年4月に先延ばしした消費税増税のさらなる先送りが取り沙汰されています。増税が延期されれば、当然、年金生活者支援給付金も合わせて延期されることは明白です。芯の通っていない政府の右往左往の判断に国民の社会保障も大きく揺り動かされています。  また、事務に係る問題もあります。今回の臨時福祉給付金は、政府の方針で6月末までには配り終えたいという考えですが、別途、高松市臨時福祉給付金の支給が来年度も予定されており、こちらの申請受付は秋ごろの予定です。  高松市においては、今年度の給付時にデータ抽出のミスがあったことが発覚しています。451名に501万1,000円の誤支給がありました。これは、高松市が対象者を抽出する際に起こった人為的ミスです。今回の給付金は、4月末から通知、5月上旬から受付開始、5月下旬に支給開始と年度がわりの繁忙期において、非常にタイトなスケジュールになっています。秋に支給予定の高松市臨時福祉給付金との事務負担が二重になることも懸念されます。  加えて、臨時福祉給付金事業は、自治体が自由な裁量で行える自治事務であるにもかかわらず、なぜか全国一斉に国に縛られながら実施していくという地方分権からかけ離れた奇妙な状況になっています。同じ13億円でも、高松市が柔軟で自由に考えれば、もっといい事業ができると国に対してはっきり意見をすべきです。  さらに、経済対策としても、過去の定額給付金やプレミアム商品券発行も消費への波及は限定的だったと見られ、効果は疑わしいものです。高齢者が受け取った給付金を貯蓄に回した場合、それは経済の底支えと言えるのでしょうか。今回の給付が、どれぐらい消費に回るのかの試算も明確にできておらず、不透明なままです。  以上、私たち市民派改革ネットは、政策目的がはっきりしないままの、ばらまき税金の使い方に根本的な問題があること、また、本市における事務負担の問題を訴え、この議案に反対します。


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