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議事録

2021年9月定例会 討論

【太田】市民派改革ネットを代表して、議案第64号中、屋島地域施設等整備事業費及び債務負担行為・行政改革推進費・予防接種事務費・ほっとぴあん運営費債務負担行為、議案第71号・議案第76号・議員提出議案第8号、以上について反対討論を、議案第64号中、放課後児童クラブ管理運営費、議員提出議案第9号・議員提出議案第10号、以上について賛成討論を行います。

 まず、議案第64号令和3年度高松市一般会計補正予算(第5号)中、屋島地域施設等整備事業費1,029万9,000円及び債務負担行為8,690万円についてです。

 本補正予算は、2020年3月末に工事着手した屋島山上交流拠点施設の建設中に想定外の岩盤が出現したこと、さらには新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、工期が当初の予定であった今年8月から約9か月延長することになったことから、工期延長に要する経費、約1億円を増額補正するものです。

 市長は、屋島山上交流拠点施設が新たな本市のシンボルになり、シビックプライドの醸成に資するとしていますが、国の史跡・天然記念物に指定されている屋島に時間とお金をかけて、わざわざ箱物を建設する必要性はありません。

 基本構想では、本体工事費は6億円程度でしたが、入札不調が続き12億3,000万円に膨らみ、さらに別途経費がかかるパノラマアート展示1億6,000万円に加え、今回の工期延長による1億円の増額で、総事業費は15億円規模にもなります。さらには、建設資材もほとんどが県外・国外からのもので、特殊な資材を多く使っていることから、今後の維持管理費も無視できません。増額、増額で総事業費15億円規模になったことについて、国の補助金を活用できたことから市の負担を軽減できたとする程度では、市民の理解を得られるとは考えられないことから、本補正予算には反対します。

 次に、ほっとぴあん運営費債務負担行為3,984万2,000円及び議案第71号公の施設の指定管理者の指定についてです。

 露天風呂やサウナ、湯上がり休憩室、カラオケのできる娯楽室、健康増進器機室を設けている庵治ほっとぴあんは、旧庵治町時代の1998年に開設されました。なお、同じ建物には、社会福祉協議会等が入っていますが、本議案はあくまで、さきに述べた施設のみが対象です。

 2008年4月1日からは指定管理者制度を導入し、今月末までハウス美装工業株式会社が担い、来月から新たな指定管理者として株式会社オクトが指定管理者候補者として選定され、今議会に議案が提出されています。

 本議案に反対の理由は3点です。

 まず、1点目、今年度から休館するとしていた施設が、一転して存続になった過程が不透明であることです。この庵治ほっとぴあんの指定管理者の募集については、昨年7月に行った公募では、応募事業者が全くおらず、市は応募事業者がない場合、今年度から休館する予定でした。ところが、昨年8月の庵治地区地域審議会では、会長から、庵治町の企業に指定管理者として打診しており、当局と調整をして何とか再考をお願いできないかと申し上げたと発言しています。公募が前提の指定管理者制度であるにもかかわらず、再公募する前から特定の企業を指定管理者とする方向で、市と協議することを促しています。

 さらに、11月には庵治町地域コミュニティ協議会などからも存続の要望があり、市は、これら地元からの強い要望を受けて、休館する予定から一転、存続に方針を変えました。3月31日までが指定期間であるハウス美装工業株式会社に、次の新たな指定管理者が決まるまで期間延長してつないでおき、表向きには再公募という形になりました。

 指定管理者の公募に当たっては、本市の指定管理者制度運用基本方針では、本市ホームページ・広報紙など、幅広い手段を活用するとしているにもかかわらず、4月の再公募に当たっては、広報高松には紙面の都合上という理由で募集記事を掲載していません。本市では、指定管理者制度が導入されてから再公募を行うのは本件が初めてでしたが、本来、公募というのは幅広い手段を活用して募らなければなりません。再度の公募なら余計にそうしなければならなかったはずです。一連の流れから、施設を存続させ、指定管理者を株式会社 オクトありきで話を進めた出来レースだった、または何らかの政治的な判断があったと思われても仕方ありません。

 また、高松市公の施設指定管理者選定委員会では、これまで指定管理業務の実績はないものの、現行の従業員を継続して活用する計画であり、運営体制については十分に確保できると評価していますが、10月1日からにもかかわらず、現在、清掃や受付業務を急募しており、このような状況で運営体制について、十分確保できるとは考えられず、評価そのものに大きな問題があります。

 このような指定管理者の指定の過程は、非常に不透明であり、大いに問題があります。

 次に、2点目として、修繕費に多額の費用がかかることから修繕しないことを明らかにし、いつ壊れてもおかしくない公共施設を存続させるということです。今さら言うまでもなく、公共施設は住民の福祉を増進する目的をもって、住民の利用に供するために、自治体が設ける施設です。庵治ほっとぴあんに対する指定管理施設としての評価では、施設の老朽化に伴い、修繕箇所の増加が見込まれるが、計画的な修繕により安全第一で住民サービスの低下を招かぬよう、適切な対応に努めていただきたいとのコメントが付記されていますが、市は、大規模な施設修繕は行わない姿勢を明らかにしています。

 教育民生常任委員会における議案審査において、大規模修繕に係る費用の見積りについて、ろ過機2,000万円、ボイラー900万円、空調3,000万円の計5,900万円との回答がありました。実際、壊れたまま使用禁止のロープを張っている浴槽もあり、このような壊れたままの公共施設を存続させるということを、市がやってもいいのでしょうか。

 過去には、他市で修繕を怠ったため、銭湯でボイラー爆発事故が起こった事例もあります。市は、お風呂の一部であり、現在、使用できているから大丈夫と思っているようですが、あまりにも危機感がなさ過ぎます。

 また、本市の重要政策、ファシリティマネジメントの点からはどうでしょうか。市は、これまで多くの公共施設を建設しており、さらに、市町合併で本市が抱える公共施設が増えました。人口減少社会に向かう中、施設の効率的な活用が課題となり、維持管理費の縮減や保有総数を最適化する取組が必要不可欠とし、ファシリティマネジメントの考え方を基に、公共施設の長寿命化や再編整備計画を策定してきました。2016年度策定分の高松市公共施設再編整備計画(案)1次では、庵治ほっとぴあんに関して、有識者の意見には、温浴施設の今後の活用については検討する必要があるとされており、建物全体の総合評価は用途変更で、目標使用年数5年となっています。

 ところが、今回の庵治ほっとぴあんは、地元からの強い要望があったので、大規模修繕に多額の費用がかかるので修繕は行わないが、施設は存続させる。しかし一方で、大規模修繕に多額の費用がかかる場合、施設の修繕は行わないとする市民プールの問題とは大きく矛盾しています。

 3点目としては、このような施設に指定管理者の指定を行う議会の議決の責任についてです。

 以上、述べたように、今年度から休館の予定が、地元から存続の要望を受けたことから一転、壊れたままの施設を存続する方針に方向転換した過程が不透明であること、さらには、広く公募することが前提の指定管理者の応募を、特定の団体ありきで進めてきたのではないかと疑われるなど、本施設の指定管理者の指定議案には多くの問題点を含んでいます。

 御存じのとおり、指定管理者制度は2003年の地方自治法改正で、管理委託制度に代わって規定されました。同法第244条の2第5項及び第6項には、指定管理者の指定は期間を定めて議会の議決を経なければならないと定め、指定後の指定期間の変更も議会の議決が必要であるとしています。

 このように、指定管理者制度の導入には条例での規定と議会の議決という二重のチェックにより、適切な指定管理者を選定できるよう考慮されています。私たち議会は、なぜ議会の議決が必要としているのかという法の趣旨に鑑み、安易に議決するのではなく、慎重に審議すべきであり、本施設の指定管理者の指定には反対です。

 次に、行政改革推進費1,597万円、予防接種事務費530万2,000円及び議案第76号専決処分の承認について(高松市手数料条例等の一部を改正する条例)です。

 これらの補正予算及び条例改正の専決処分の承認に関しては、マイナンバー制度に関するものです。これまでにも述べてきましたが、多額の税金を投入してマイナポイントを付与し、マイナンバーカードを増やすこと、また、予防接種の接種履歴をマイナンバーとひもづけることには賛同できないことから、本議案には反対です。

 次に、議員提出議案第8号出産育児一時金の増額を求める意見書についてです。

 出産育児一時金は、健康保険法を根拠とし、日本の公的医療保険制度の被保険者が出産したときに支給される手当です。出産に要する経済的負担を軽減するため、1994年に創設され、30万円で始まった支給額も2006年に35万円、2009年1月に38万円、同10月に42万円へと段階的に拡充。その上で、42万円への引上げ時には、医療機関などへの直接支払制度が導入されました。15年間で約12万円の増額が図られたことになります。

 しかし、特に都市部を中心に、支給額では足りず、出産時に多くの持ち出し分があるとされています。これは、幼児教育の無償化が始まったにもかかわらず、保育施設の都合で保育料が引き上げられた現象と酷似しています。利用者の負担が減ることで、サービス提供者は利用料を引き上げやすくなるのです。一時金を引き上げるたびに出産費用が上がっている状況ですと、いたちごっこで、利用者負担が減らない可能性が考えられます。現に、本意見書では、出産育児一時金の増額が少子化対策になるとしていますが、15年間で12万円もの増額を行っているにもかかわらず、少子化に歯止めがかかっていない事実からすれば、一時金の増額が少子化対策になるものではないということは明白です。もっと長い目で見て、子育てしやすい社会、子育てや教育に公費が十分に使われる社会の形成こそが、少子化対策につながるのではないでしょうか。

 日本の少子化は、もはや単体の政策で効くような状況ではありません。個々の政策ではなく、少子化対策のパッケージとして捉え、経済的な負担を取り除く必要があると考えます。

 このようなことから、出産育児一時金の増額は少子化対策に寄与するものではなく、子育てに関する税金の使い道や出産しやすい環境づくりは、ほかに考えられることから、本意見書には反対します。

 次に、賛成の立場から以下、述べます。

 まず、放課後児童クラブ管理運営費1,985万円です。国の子ども・子育て支援交付金交付要綱の改正で、新たに放課後児童クラブ育成支援体制強化事業が創設されたことにより、市内の放課後児童クラブ25団体に対し、上限144万3,000円を補助する予算です。議案質疑及び教育民生常任委員会の審査においても、来年度以降、継続するかについては、国の動向を注視するとのことでした。

 全国学童保育連絡協議会による調査では、50歳以上の指導員が全体の57%、これは2015年の調査ですので、さらに割合が増えていることが推測されます。さらに、年収200万円未満の指導員が全体の63%でした。これでは、熱意を持って働きたいと思っても、自身の将来設計を考えると、家族を養っていくことができず、継続できないと考える指導員も多いのではないでしょうか。

 これまで放課後児童クラブは、保育園や学校に比べると注目されにくい存在でした。学校と家庭の間で児童が滞在するおまけのように位置づけられ、国や自治体も重要視してきませんでした。しかし、コロナ禍において、一斉休校の際、放課後児童クラブはその機能を維持させ、子供の居場所となり、放課後児童クラブなしに親は働けないという本来の役割がようやく理解された形となりました。現場の頑張りには、ただただ頭が下がります。

 子供の安全の生育環境と学びの場が確保されること、必要不可欠な労働──エッセンシャルワーカーとして現場で働く指導員への保障はもっと充実されるべきです。来年度以降も補助を継続し、指導員が働きやすい環境を整えていくことを強く要望し、本予算には賛成します。

 次に、議員提出議案第9号ハラスメント禁止条約の早期批准とハラスメントを禁止する国内法のさらなる整備を求める意見書についてです。

 ハラスメントは、広義には人権侵害を意味し、性別や年齢・職業・国籍・身体的特徴・セクシュアリティーなどの属性、あるいは広く人格に関する言動などによって相手に不快感や不利益を与え、その尊厳を傷つけることを指します。近年、職場におけるハラスメントが急増し、人事管理上、深刻な問題となっています。労働の世界における暴力とハラスメントを撤廃する条約は、2019年のILO──世界労働機関総会で、日本政府を含めて9割超の賛成で採択されました。ところが、日本政府は条約の採択に賛成したにもかかわらず、批准には後ろ向きです。条約が求めるハラスメント行為の禁止規定を法律に盛り込むと、損害賠償の根拠規定となって訴訟が増えることを懸念する経済界への配慮が背景にあると見られています。

 本意見書が審査された総務常任委員会では、政府としては前向きにやっているので、現時点で意見書を提出する必要はない旨の発言がありましたが、果たしてそうでしょうか。昨年6月に、いわゆる女性活躍・ハラスメント規制法が施行され、大企業にパワハラ相談窓口の設置などが義務づけられたことは、確かに一歩前進したと言えます。しかし、禁止規定はなく、抑止力に欠ける上、就活生やインターン生などが被害者として法律に明記されなかったことは大きな問題です。厚生労働省が昨年実施した調査では、就活中やインターン中の学生の4人に一人がセクハラ被害に遭っており、さらなる法の見直しが必要であることは言うまでもありません。ハラスメント行為の撲滅のためにも、ハラスメント禁止条約の早期批准と国内法のさらなる整備を行うべきであり、本意見書には賛成です。

 最後に、議員提出議案第10号新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した被保険者等に係る国民健康保険料(税)の減免等の見直しを求める意見書についてです。

 国民健康保険加入者のうち、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少した方に対しては減免等の特例措置があります。これは、昨年4月に厚生労働省並びに総務省より、都道府県の国民健康保険主管課に宛てた事務連絡により実施されているものです。

 昨年度においては、収入の比較がコロナ禍以前の2019年であったことから、この措置は正常に機能していました。しかし、今年度になって、本市においても、この措置について市民の方から疑問の問合せがありました。例えば、2020年の所得が300万円で2021年の収入が3割下がる見込みなら国保料は全額免除となりますが、2020年の所得がゼロ円で2021年の見込みもゼロだと、前年より所得が下がったとされず、特例対象とはならないのです。保険料の計算式は、所得を掛け算するため、ゼロやマイナスは軽減額を出せないという理由で、収入がなくても国保料のうち均等割などを払う必要がありますが、この逆転現象は各地で起こっています。

 教育民生常任委員会では、ゼロ所得世帯に対しては、社会保障全体で考えるべきといった意見が出ましたが、その議論が進まない中においては、一番市民に近いところにいる私たち議会が市民の声に耳を傾け、国に制度の見直しを提言するのは当然のことです。目の前で困っている人に、制度で決まっているので、仕方ないと切り捨てるようなことはできません。厚生労働省は、現時点では制度を見直す考えはないとされていますが、だからこそ地方議会がしっかりと国に対して見直しを求めるべきです。

 以上で討論を終わります。

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