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議事録

2021年12月定例会 討論(2020年度決算)

【太田】2020年度決算においては、多くの事業が新型コロナウイルス感染症によって中止や延期を余儀なくされるなど、本市事業運営においても予算が執行されないといった影響が波及しています。芸術・文化などだけではなく、例えば学校教育において、本来実施されるべきであった体験講座などが中止になったことは、心身ともに子供の成長にも影響を及ぼすものと考えられます。私たちは、この未曽有の事態を経験した者として、地方自治法の理念の下、住民の福祉の増進を図ることを基本とし、本市の自主性及び自立性が十分に発揮されるように、議会としての役割を果たしていかなければなりません。

 市民派改革ネットを代表して、以下、2020年度決算において反対の事業名とその理由を述べます。今後の市政運営に十分反映されることを望みます。

 認定第1号令和2年度高松市一般会計・特別会計歳入歳出決算のうち、新県立体育館建設環境整備事業についてです。

 新県立体育館は、防災避難拠点としても位置づけられることとなっています。サンポート一帯は周辺よりも土地が僅かに高いので、2004年──平成16年台風のときでも市内中心部で浸水しなかった数少ない地域の一つです。しかし、新体育館を避難所に指定しても、周辺は浸水する可能性が高いので、逃げ道が塞がれることになり、機能しないことも予測されます。新型コロナウイルス感染症の影響で工事は大幅に後ろ倒しになっており、不要不急の大型公共事業はこの際、凍結も含めて県に提言すべきと考えます。また、福岡町の旧県立体育館は、貴重な建物であることには間違いありませんが、閉館から7年を経て、ようやくサウンディング型調査が行われたとはいえ、現時点で保存や再活用の見通しは立たないままです。周辺住民の不安を考えても、まずはこの旧県立体育館の問題を解決すべきです。

 次に、高松城跡整備事業についてです。

 私たち市民派改革ネットは、これまでも桜御門の復元整備自体が意味を持たない事業であることを幾度となく指摘してきました。さらに、工期の延期を重ねたことにより、当初の予算より3,300万円も事業費が膨れ上がりましたが、そこまでして事業を進める必要があったとは考えられません。現存するものを最大限生かした観光を、今後は生み出していくべきです。

 次に、屋島活性化推進事業についてです。

 3度の入札不調を経て、ようやく4回目で落札、工期は当初の予定より延びに延びています。それだけではなく、屋島には岩盤が存在することは既に分かっていたにもかかわらず、昨年、基礎工事の最中に想定外の岩盤が見つかったとして、さらに工期が延び、それに伴い費用も増額する事態になりました。この屋島山上拠点施設が屋島への愛着心、ひいては高松市民としてのシビックプライドが一層高まることにつながるという市長の考えは、一貫して変わっていないようですが、屋島山上にこのような施設が建設されていることすら知らない市民が多くいます。これから人口急速減少社会を迎える中で、維持管理費にも莫大な税金を投入しなければならない施設は、次世代への負の遺産でしかありません。私たちは、これからの社会構造を見据え、本当に必要なものとそうでないものを見極め、判断する必要があります。

 次に、高松丸亀町商店街再開発事業についてです。

 大工町・磨屋町地区の再開発に関してですが、本市はコンパクトシティーを掲げ、中心市街地の活性化を推進していますが、近年、中心市街地でも建物の解体跡地に民間の駐車場が整備されており、これ以上の駐車場整備は必要ありません。そもそも公共交通の利用促進と町なかでの大規模駐車場整備とは相反する考え方です。ドイツのフライブルク市は、1970年代に市議会で中心市街地への自動車の乗り入れを禁止し、中心市街地の活性化が大きく進みました。自動車利用者に有利なサービス体系では、駐車場の利用を減らすことはできず、これからの中心市街地再開発は徒歩や自転車で回遊してもらう、中心市街地活性化の本来の目的に立ち返った施策転換が必要だと考えます。

 次に、競輪事業についてです。

 2020年4月から2021年3月に公営競技ギャンブル依存症カウンセリングセンターに寄せられた相談は、競輪は競馬に次いで2番目に多く、年代別で見ると、多い順に40代・30代・20代となっています。コロナ禍でインターネット投票がより身近になり、誰もがギャンブル依存症に陥る可能性があります。そもそも第2次世界大戦後に戦災からの復興支援を主目的として始められた公営ギャンブルであり、その目的ははるか以前に達成しています。私たちの会派では、従前より競輪事業の廃止と競輪場は純然たる自転車活用のまちづくりのための施設として利活用すべきであると訴えています。今後、ミッドナイト競輪が開催されることとなりますが、照明灯の維持管理も簡単ではなく、競輪事業決算については認定できません。

 次に、椛川ダム整備事業についてです。

 今年7月に竣工した椛川ダムですが、1人当たりの水使用量はダム建設計画時の30年前と比べて大幅に減っているにもかかわらず、過大な水需要予測の下に進められてきた椛川ダムの必要性は非常に乏しく、やめられない公共事業の典型であったと考えます。不必要な県施行の事業に対する本市負担について反対です。

 次に、県施行港湾建設事業です。

 椛川ダムと同じく、不必要な県施行の事業に対する本市負担について反対します。

 次に、広域輸送交通機関整備促進事業についてです。

 公共交通は、私たちの生活にとってなくてはならないものです。それは、環境問題という側面、あるいはコンパクトなまちづくりという側面の両方から言えます。今、そして、これから先必要なのは、地域に根差した公共交通です。バスや電車で生活圏を移動でき、買物や通院に困らない、自動車がなくても暮らしやすい地域が高松市も掲げるコンパクトシティーの在り方です。くしくも、このコロナ禍でリモートワークが推奨され、その便利さは瞬く間に私たちの生活にも浸透し、遠くへ移動しなくても仕事や会議ができることが立証されました。四国新幹線を熱望する一部経済界と地元住民の願いの温度差を、本市は見極めるべきです。今後、30年、40年後、人口の急速減少の中で、本市は地域に根差した公共交通にこそ軸足を置くべきです。

 次に、議会費のうち、費用弁償及び人間ドック助成費についてです。

 社会では格差が広がり、コロナ禍で雇い止め、見えない貧困層の増加、困窮女性の問題などが叫ばれる中、高松市議会では漫然と費用弁償が支出され続けています。発言をしなくても座っているだけで支払われる費用弁償については、多くの市民が不必要であると考えています。いま一度、議会において議論が必要な課題ではないでしょうか。人間ドック助成費についても、通常の助成に加えての助成は議員特権であり、早急に廃止すべきです。

 最後に、社会保障・税番号制度推進事業についてです。

 最近、テレビでも新聞でも、まだマイナンバーカードを持っていないのといった論調でCMを見る機会が増えました。取得が任意であるマイナンバーカードを持っていないことが悪いことかのように演出する手法は、あまりにもひどいと感じます。10月28日現在、マイナンバーカード取得者は、全人口のうち39.1%、マイナポイント申請者はカード取得者の半数、全人口比約19%と低調です。大々的に税金を投入したキャンペーンを行っても、マイナンバー制度自体が国民に普及しないのは、マイナンバーを管理する政府に対する不信感、個人情報保護への不安感があるからです。

 このような理由から、認定第2号令和2年度高松市病院事業会計決算についても、マイナンバーと健康保険証をひもづけるシステム改修に反対のため、不認定とします。

 以上で2020年度決算に対する討論を終わります。

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