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議事録

2020年12月定例会 討論

【太田】市民派改革ネットを代表して、今定例会に提出されている議案に対する討論を行います。

 まず、議案第146号令和2年度高松市一般会計補正予算(第8号)中、東京2020オリンピック・パラリンピック関連事業費のうち、債務負担行為1,133万5,000円についてです。

 12月16日付四国新聞によると、2021年4月17・18日に、県内8市9町で東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーが従来の計画を維持して開催されるとあります。高松市では、聖火の到着を祝う式典を行うともあります。

 12月15日のNHKの報道によれば、世論調査で来年に延期された東京オリンピック・パラリンピックの開催についてどう思うか聞いたところ、開催すべきが27%、中止すべきが32%、さらに延期すべきが31%で、中止すべきが開催すべきを上回りました。

 現在の新型コロナウイルス感染症の感染拡大状況から見ても、セレブレーションイベントを行って観客が集まり、わざわざ感染しやすい状況をつくり出すことは回避すべきです。簡素なオリンピックを打ち出しているのなら、地方におけるイベントは、なおのこと不要です。

 1,000万円以上の一般財源による予算措置を行っていますが、新型コロナウイルス感染症で逼迫する医療や介護現場、また、飲食店や関係業者のために使うべきと考えます。

 よって、債務負担行為1,133万5,000円には反対します。

 次に、議案第151号令和2年度高松市競輪事業特別会計補正予算(第2号)についてです。

 現在、日本ではギャンブル依存症の疑いのある人は320万人、先進国でもトップクラスの依存率を誇っています。公営ギャンブルは、名目上は社会貢献をうたっていますが、内容がギャンブルであることに違いはありません。

 高松競輪では、耐震改修を行うだけでなく、ナイター照明施設を整え、ミッドナイト競輪を行うようになろうとしていますが、ギャンブル施設ではなく、純粋な自転車競技練習場や自転車のまちづくりの拠点にすべきと考えます。コロナ禍で家にいる時間が増え、ネット投票がしやすい環境が生まれています。一方で、収入が減少しており、負のループから抜け出せないという悲痛な訴えもあります。若年層からも、存続すべきではなく方向転換を求める声が上がっています。

 よって、議案第151号令和2年度高松市競輪事業特別会計補正予算(第2号)には反対します。

 次に、議案第154号令和2年度高松市病院事業会計補正予算(第4号)中、資産購入費1,359万5,000円についてです。

 2019年5月15日の健康保険法等の改正により、2021年3月からマイナンバーカードを健康保険証にすることが可能になりました。マイナンバーカードの提示によるオンラインでの保険資格確認が開始することに伴い、みんなの病院においてシステム改修を行うものです。

 健康保険加入の資格確認をオンラインで行うことによって、過誤請求を防ぐのが目的だとされていますが、みんなの病院開院後における失効した保険証による過誤請求は、たったの0.2%程度で、ほとんどが問題なく処理されています。患者の立場からすると、従来の保険証で受診できるものを、わざわざマイナンバーカードを作って持ち歩くのは、紛失等の危険が増すだけで、メリットはありません。また、医療機関では、院内ネットワークがオンラインで院外とつながることになり、患者のプライバシー流出の危険性が出てきます。

 これらに対し、先ほど述べた失効保険証による過誤請求をはじめ、オンライン資格確認のメリットとして挙げている窓口での保険証情報入力の省略、高額療養費の限度額適用認定証に係る事務量の減少などは、様々な犠牲を払ってまでして見合うものだとは考えられないことから反対です。

 次に、議案第155号高松市長等の損害賠償責任の一部免責に関する条例の制定についてです。

 住民訴訟における損害賠償の責任について、市長等が善意でかつ重大な過失のないときには、条例において長や職員等の地方自治体に対する損害賠償責任の限度額を設けることができるとした、地方自治法の一部改正により本条例が提案されました。

 このような軽過失免責の論拠は、主に過大な責任による萎縮的効果及び国家賠償法上の求償権との不均衡が挙げられています。しかし、現行の住民訴訟制度となって以降、本市における住民訴訟で損害賠償責任を負ったケースがないだけでなく、多額で苛酷な損害賠償責任を負うおそれを理由に市長等が萎縮し、円滑な行政運営に支障を来していることもないということが議案質疑で明らかになりました。

 さらに、本条例を制定すべきと判断した理由に、国家賠償法では公務員個人は軽過失であれば免責されるのに対し、住民訴訟では軽過失でも責任を負わされるのは不均衡であるから是正する必要があるとしています。しかし、このような均衡論は、専ら責任を負わされるほうから見たものであり、違法な財務会計行為による損害を回復する制度である住民訴訟には該当せず、対象となる行為や行為者が異なるものであることから、そもそも不均衡な点は存在しません。

 本条例制定に至った地方自治法改正では、長等への萎縮効果を低減させるための議論が中心となり、住民訴訟の持つ違法な財務会計行為に対する抑止及び是正という機能が失われることにもなりかねず、ひいては地方自治の本旨に基づく住民参加の意義を損なうものになると考え、本条例制定には反対です。

 次に、議員提出議案第14号NO コロナハラスメントに関する決議についてです。

 いまだに感染拡大の猛威を振るい続ける新型コロナウイルス感染症。それと同時に、感染された方やその家族・会社や治療に携わる医療関係者までもが、いわれなき差別を受けている実態が明らかになっています。

 新型コロナウイルス感染者への誹謗中傷や差別が、本人だけではなく家族にまで及ぶ状況は、ハンセン病問題の現れ方と非常に似通っています。もし、感染症に対する正しい知識が社会の中に行き渡らず、偏見やデマに覆われた社会になれば、ハンセン病問題での間違いを再び繰り返すことになるかもしれません。新型コロナウイルスに関する正しい知識・認識を持ち、偏見や差別を解消することが今こそ必要です。高松市議会として、新型コロナウイルスに関する様々な差別をなくしていこうと決議を上げることは、大きな意味を持つと考えます。

 よって、本決議には賛成です。

 ところで、決議とは、議会が行う意思決定のうち、広く対外的に表明することが必要だと考えたものを議決することを指します。今回の決議は、40人の総意として提出されるべきだったと考えます。提出者からは、時間がなく調整できなかったと説明がありましたが、今後、決議及び議会に関わることは、やはりチーム議会として一丸となって足並みをそろえるべきであることを付け加えておきます。

 次に、議員提出議案第15号性犯罪に関する刑法のさらなる改正を求める意見書についてです。

 性犯罪は、被害者の人格や尊厳を著しく侵害し、心身に重大な後遺症を残す深刻な犯罪です。その悪質性・重大性に対して、これまでの刑法の規定では不十分であるという声の高まりを受け、2017年6月、刑法が一部改正され、強姦罪を強制性交等罪に名称変更、懲役の下限を3年から5年に引き上げ、これまで親告罪であったものが非親告罪となるなどの改正が行われました。ただし、幾つかの課題の積み残しがあったため、附則において、施行後3年を目途として施策の在り方を検討し、必要があると認めるときは所要の措置を講ずることとされています。

 意見書について審査された総務常任委員会では、現在、法務省では実態調査ワーキンググループによる取りまとめ報告書が出され、改正を議論する検討会が行われようとしているため、意見書の提出は時期尚早である。国が検討しているから提出する必要はない。加えて、性犯罪者を罰するよりも、教育の中で性犯罪はいけないということを教えるべきという意見が出されました。

 私は、毎月、性暴力・性犯罪の根絶を目指すフラワーデモに参加しています。そこで、性犯罪被害者の方の悲痛な訴えを伺いました。そして、私もまた、性犯罪被害者の一人です。でも、こんなにつらい悔しいことがあったと親しい友人に打ち明けるのにも、10年・15年という長い年月が必要でした。そして、既に時効が成立していますが、できることなら加害者をきちんと罰してほしいと思います。そのためには、時効の撤廃など、さらなる法整備が必要です。刑法を性被害の実態に即したものに改正し、関連法整備や性被害者支援施策の強化を早急に行うことが必要であると考え、本意見書は全会一致で採択すべきと考えます。

 最後に、陳情第10号高松市市営住宅の管理人制度の廃止及び共益費の徴収についての陳情についてです。

 この陳情を審査した建設消防常任委員会では、家賃とは別に団地住民によって、共益費の徴収が行われていることについて、近隣住民による安否確認の声かけや高齢者の見守りといったメリットがある。共益費を家賃とともに徴収するとなると、公費負担の発生も想定される。本市は、今後、調査研究する方向であるから、その動向を注視するのでよいといった旨の発言がありました。しかし、これは、あくまでも行政側の立場であり、二元代表制である議会に対して市民の方からの陳情であることを考えると、本陳情の内容は重要な問題提起だと捉え、不都合な現行制度を少しでも改善できるように、議会として真摯に向き合うべきだと考えます。

 家賃と別に団地住民による共益費徴収の問題は、当該団地だけの問題ではなく、高齢化が進む公営住宅が抱える全国的な問題となっています。本市もそうですが、公営住宅法第20条にある、自治体は家賃・敷金以外の金品を徴収できないという条文があるために、共益費を自治体が徴収できないとしていますが、公営住宅法の逐条解説や国土交通省の見解では、共益費など、共同施設についての費用を徴収することまで禁止しているものではないとしています。実際に、条例・規則等の整備を行った上で、家賃と併せて徴収していたり、指定管理者が団地自治会の委託を受けて徴収している自治体が存在します。

 また、管理人制度は絶対に置かなければならないとされておらず、共益費の徴収と同様に、現行制度でうまくいっている団地はそれでいいとしても、不都合が生じ、希望する団地には柔軟な対応をしていけるように改善すべきと考え、本陳情には賛成します。

 以上で討論を終わります。

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