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議事録

2017年9月定例会 一般質問

【太田】

 市民派改革ネットの太田安由美です。  一般質問を行う前に一言申し上げます。  一部議員の私語により、質問者及び答弁者の発言内容が聞き取れないと、傍聴に来られた市民の方から声がありました。これに関しては、以前、議長に対して、議事運営に関する申し入れを行っております。議長におかれましては、十分配慮をいただきますよう、よろしくお願いいたします。  では、一般質問に入ります。  私は、7月25日から28日、労働政策や特区に関する問題を学ぶため、韓国を訪れました。  ソウル市の非正規労働者の雇用形態改善政策やマニフェスト実践本部、経済自由特区における営利病院の建設阻止運動など、民主的で草の根的な政策や運動を多く見聞きすることができました。  全国の超党派の議員が中心となった視察団でしたが、私と植田議員は日程をずらし、全羅北道にある、群山市を訪問しました。ソウルから高速バスで3時間半ほどの韓国南西部に位置する群山市は、人口約28万人、面積約680平方キロメートルの都市です。主な産業は、造船・機械部品生産・自動車産業、また、太陽光・風力発電などの産業にも力を入れています。さらに、16の有人島と47の無人島で形成される古群山群島は、瀬戸内の多島美に相通じるものがあります。また、群山市は、日本の統治時代、日本人が最も多く住んだ町としても知られています。そのため、今でも、当時建設された日本家屋が現存しており、一部は港の近くに移されてカフェに改築するなどされています。  私たちの会派では、以前から、お隣の国である韓国と何らかの形で都市交流を行えないかと考えていました。そんなとき、1年ほど前に、偶然、新聞で目にしたのが、群山市が高松との都市交流に向けて前向きであるという内容の記事でした。  高松市の民間団体──香川日韓交流協会では、2016年より高松トライアスロン大会と群山市セマングムマラソン大会に相互に選手が参加し、交流を図っています。また、日韓こども絵画交流展も、高松市・群山市の両市で開催しています。民間での交流が温まってきていることをうれしく感じるとともに、私も、いつか群山市を訪問してみたいと強く思うようになりました。  そんなときに、今回の韓国視察のお話をいただき、これは強行日程になってでも訪問したいと、先方の御協力もいただき、訪問が実現したものです。群山市役所の大型パネルには、日本の地方都市高松からのたった2名の訪問にもかかわらず、大歓迎の文字が映し出されていました。残念ながら市長とは時間の都合でお会いすることができませんでしたが、群山市議会の議長初め、女性議員4名と面談することができました。群山市議会初の女性議長朴正姫議長は、面談の中で、これまでの民間交流に基づき、一層幅広い交流を実施し、友好関係を深めるため、両都市の自治体、または地方議会間において友好都市または姉妹都市提携を結び、国際的な友情を育んでいくことができましたら、一層、価値ある成果と変化をもたらすことができると確信しています。このことが実現しますことを願っておりますとおっしゃっていました。  以上を踏まえ、質問します。  群山市と高松市との民間交流についての御所感をお聞かせください。  高松市との交流について前向きな都市、韓国群山市と友好都市提携を結ぶ考えについてお聞かせください。  以上で大項目1を終わります。

【市長】

3番太田議員の御質問にお答え申し上げます。  韓国群山市との交流についてのうち、本市との民間交流についての所感であります。  本市と群山市との民間交流は、平成27年9月に、香川日韓交流協会が群山市を訪問したことを契機に始まり、昨年度には、御質問にもございますとおり、香川日韓交流協会と群山市が協力して、子供の絵画交流展を本市と群山市の相互で開催したほか、サンポート高松トライアスロンに群山市から選手が出場するなどの交流が行われているものと存じております。  海外の他都市との交流は、本市のイメージアップや、観光の振興等を図る上で有益でございますことから、今後におきましても、民間レベルでの交流が、さらに深まっていくことを期待しているところでございます。  次に、群山市と友好都市提携を結ぶ考えについてであります。  友好都市提携の締結につきましては、提携に向けた市民の機運の盛り上がりが何よりも重要であるものと存じております。  群山市につきましては、先ほど申し上げました民間交流のほか、群山市におきましても本市との交流を前向きに検討していると伺っております。  しかしながら、本市におきまして、市民の間に群山市との交流についての認識が広がっているとまでは言えず、民間交流の継続による、さらなる機運の醸成などが必要であるものと存じます。  このようなことから、私といたしましては、直ちに群山市と友好都市提携を結ぶ状況にはないと存じておりますが、今後の民間交流の進展や市民の意識の変化等を見守ってまいりたいと存じます。  項目1の答弁は、以上でございます。

【太田】

(2)について再質問を行います。  全国では、都道県・市区町村の計163自治体が韓国と都市提携を結んでおります。これは、アメリカ・中国に次いで3番目に多い国となっております。  また、福岡県に那珂川町という町があります。今年度、韓国の任実郡との友好都市提携に向けて、町長みずからが予算づけを行っております。その際、町長は福岡県に相談をしたそうですけれども、福岡県からは、国と国との外交はさまざまな障壁があり難しい問題だが、こんなときこそ、地域間交流や人的交流を大切にとの助言を得たそうです。全くそのとおりだと思います。  また、帰国後に私たちが行った報告会においても、市民の方々は自治体として、しっかり掛橋になってほしいという意見が多く出されました。民間の動きを見守るだけではなく、ぜひ前向きに検討をしていただきたいと思います。  再度お伺いいたします。  群山市と友好都市提携を結ぶ考えについてお答えください。

【市長】

33番太田議員の再質問にお答え申し上げます。  韓国群山市との交流についてのうち、群山市と友好都市提携を結ぶ考えについてであります。  都市と都市との交流についての認識は、お話しいただいたとおりかと存じます。ただ、友好都市提携の締結ということになりますと、締結に向けた、市民の機運の盛り上がりが何よりも重要であるものと存じております。  しかしながら、本市におきまして市民の間に群山市との交流についての認識がいまだ広がっているとまでは言えず、民間交流の継続による、さらなる機運の醸成などが必要であるものと存じております。  これらのことから、私といたしましては、直ちに群山市と友好都市提携を結ぶ状況にはないと存じておりまして、今後の民間交流の進展や市民の意識の変化等を見守ってまいりたいと存じます。

【太田】

次に、大項目2に移ります。  たかまつ人口ビジョンによると、高松市における65歳以上の高齢者は、2040年に約13万人となりピークを迎え、その後、緩やかに減少。一方で、年少人口及び生産人口、また、人口総数はふえることなく、減少を続けていくと推計されています。人口総数に占める高齢者の割合は、今後もふえ続けていくということになります。つまり、介護保険サービスを受ける人も必然的にふえていくことが予測されます。  介護保険サービスを受けようとする人は、まず、介護保険法に基づいて要介護認定を受けなければなりません。要介護認定を受けようとする人は、市町村に申請するわけですが、介護保険法第27条第11項には、申請に対する処分は、当該申請があった日から30日以内にしなければならないと定めており、ただし、例外的に特別な理由がある場合は、これを延期することができるとされています。  つまり、申請のあった日から30日以内に市は認定調査を行い、介護認定審査会において審査・判定を行い、要介護状態区分などが書かれた認定結果通知書を届けなければならないということです。  また、2017年3月定例会において、要介護認定審査件数の増大への対策に関する質問に、今後、増大する審査件数に対し、遅延のない事務処理を行うことができるよう適切に対応していくと答えていますが、実際は、ここ数カ月で何件も要介護認定までに、2カ月近くかかるという市民の方からの声が非常に多く届いています。  新規の認定調査は、市が直営で行い、更新の認定調査は社会福祉協議会に委託しているのが、現在の高松市の状況です。  まず、今年度申請のあった要介護認定件数のうち、介護保険法に定められた申請のあった日から30日以内に申請に対する処分、つまり要介護認定を行えなかった件数は何件か、申請件数とあわせてお答えください。  また、その要因についてお答えください。  現在、本市正規職員のうち、介護認定調査員の資格を持った職員は何名いますか。非常勤嘱託職員では何名ですか、お答えください。  要介護認定審査が法で定められた期間内にできていない現状を、どのように課題解決していくのか、お答えください。  さて、要介護認定を受けた方は、要介護1から5であれば、ケアプランを策定後、介護サービスを利用することができ、要支援1・2の認定を受けた方は、介護予防サービスと介護予防生活支援サービス事業の利用が可能です。また、新しい総合事業によって、基本チェックリストで、生活機能の低下が見られる65歳以上の方も、介護予防・生活支援サービス事業の利用が可能で、65歳以上の全ての方が一般介護予防事業が利用できる仕組みになっています。  そして、これらのサービスを利用するための核となるのが地域包括支援センターです。高齢者の日常生活に関する総合的な相談を受けたり、高齢者の人権や財産などを守るための支援、ケアプランの作成、介護予防教室の開催、地域及び関係機関とのネットワーク構築の推進、認知症サポーター養成講座や物忘れ・認知症相談など、事業は多岐にわたります。今後、高齢化がさらに進んでいく中で、大切な役割を果たしていく機関です。  しかし、6月末から募集している介護支援専門員・保健師・社会福祉士の非常勤嘱託職員は、今も10名ほどが募集中となっており、人材不足が懸念されます。民間でも共通して言えることですが、介護現場での人材不足は非常に大きな問題です。  今後、高齢者がさらに増加することを受けて、地域包括支援センターにおける人材確保について、どのようにお考えですか、お答えください。  現在、介護保険分野に関する非常勤嘱託職員の不足には、人材の必要性に待遇が追いついていないということも理由として挙げられるのではないでしょうか。地方公務員法及び地方自治法の一部改正によって、2020年4月から非常勤嘱託職員についても期末手当の支給が可能となりますが、法施行までには、まだ2年以上を要します。今、目の前にいる非常勤嘱託職員の賃金アップの処遇改善を行い、高齢者初め、高松市の介護保険分野をしっかりと支えることのできる体制をつくっていくべきではないでしょうか。  高松市において、介護保険分野における非常勤嘱託職員の募集に対して人材が集まらない要因は、賃金にもあると考えますが、非常勤嘱託職員の賃金アップの処遇改善を行っていく考えについてお答えください。  以上で終わります。

【健康福祉局長】

介護保険分野の非常勤嘱託職員のうち、今年度申請のあった要介護認定件数のうち、介護保険法に定められた30日以内に認定を行えなかった件数についてでございますが、今年度の4月から7月末までの申請件数から、死亡や申請取り下げにより認定が不要となったものを除いた8,619件のうち、30日以内に認定を行えなかった件数は4,451件でございます。  次に、法で定められた日数以内に、要介護認定を行えなかった要因についてでございますが、介護保険課において、一時的に、認定調査員が欠員となったことのほか、要介護認定調査の申請者との日程調整に時間を要したことや、申請に必要な書類の不備により、認定審査に日時を要したことなどでございます。  次に、介護認定調査員の資格を持っている本市職員の人数でございますが、正規職員が5名、非常勤嘱託職員が9名でございます。  次に、要介護認定審査が法で定められた期間内にできていない現状を、どのように課題解決していくのかについてでございますが、認定の遅延は、全国的に各保険者にとって共通の課題でありますことから、国におきましては、来年度から、認定有効期間の延長や2次判定手続の簡略化などの認定事務処理体制の効率化を図る見直しが予定されているところでございます。  本市におきましては、このような国の方針を踏まえ、適切に対応するとともに、今後、認定調査員の増員や認定調査の外部委託件数の拡大等の方策を検討してまいりたいと存じます。  次に、今後の高齢者の増加を受けての地域包括支援センターにおける人材確保の考えについてでございますが、御質問にもございますとおり、地域包括支援センターでは、高齢者の日常生活に関する総合相談支援を初め、高齢者の権利擁護、介護予防ケアマネジメントのほか、介護予防事業、認知症に関する取り組みなど、多岐にわたる事業を行っております。  本年9月1日現在で、正規職員33名、非常勤嘱託職員78名が在籍しておりまして、保健師・社会福祉士・介護支援専門員のほか、理学療法士・栄養士・歯科衛生士などが、それぞれの専門性を生かし、さまざまな業務に取り組んでいるところでございます。今後は、高齢者の増加に伴い、相談件数やケアマネジメント件数のほか、ひとり暮らしや認知症の高齢者の増加も見込まれるため、これらに適切に対応できる人員体制を確保する必要があるものと存じております。  このようなことから、新たな取り組みとして、職員の出向要請を、これまでの社会福祉法人に加え、医療法人等にも行うほか、応募意欲の湧くようなリーフレットを作成し、介護に関するイベントや研修会等で配付し応募を呼びかけるなど、さらなる人材確保に取り組んでまいりたいと存じます。  次に、介護保険分野における非常勤嘱託職員の賃金アップの処遇改善を行っていく考えについてでございますが、人材が集まらない要因としましては、賃金のほか、職務内容に対する正確な理解が得られていないことや、求人情報が仕事を必要とする人に適切に伝わっていないことなどが考えられるところでございます。  本市における、介護支援専門員や認定調査員などの非常勤嘱託職員の賃金は、県内市町の中で最も高い水準となっております。このことから、現在のところ、賃金の引き上げは考えておりませんが、今後、先ほど申し上げました新たな取り組みのほか、介護保険分野における非常勤嘱託職員の職務内容をハローワークや「広報たかまつ」などを通じ、わかりやすく周知するとともに、退職した介護職員など潜在的な人材の掘り起こしを図ることなどにより、人材の確保に努めてまいりたいと存じます。  項目2の答弁は、以上でございます。

【太田】

(4)と(6)について再質問をさせていただきます。  まず、8,619件の申請中4,451件が30日以内に認定を行えていない。つまり50%が法に定められた規定を守れていないということでした。  厚生労働省の公表資料によると、全国自治体の申請から認定までの平均は、おっしゃったとおり36.5日ということで、30日以内に認定を行えていない自治体も多いということですが、全国的に見て30日を超えているから高松市もいいということではないと思います。法に定められたことができていないという現実をしっかりと直視をすべきだと思います。  たとえ、今回のおくれが想定外の人的不足だったとしても、すぐに穴埋めができていないことで、その後の認定のおくれにつながっております。適切に対応していくという適切というのはどういうことか、要介護認定審査が法で定められた期間内にできていない現状を、どう解決していくのかについて、もう少し具体的にお答えください。  続いて、(6)賃金アップの処遇改善を行っていく考えですが、人事課に確認したところ、ケアマネジャーの資格を持っている30代の正規職員の一般的な年収、これには期末手当・勤勉手当・諸手当含まれていますけれども、約580万円。一方、非常勤職員でケアマネジャーの資格を持っている方、月額22万7,900円で、県内でも最も高い水準でしたが、12カ月で、年収約270万円で、ちょうど2倍の差があります。もちろん資格所有で、一般事務の非常勤嘱託職員よりは高い報酬額となっていますが、募集に追いついていないとなると、同じだけの仕事をしていても、正規職員と賃金の格差があることに問題があるのではないかと考えます。  (6)介護保険分野における非常勤嘱託職員の賃金アップを行う考えについて、再度お答えください。  以上です。

【健康福祉局長】

33番太田議員の再質問にお答え申し上げます。  介護保険分野の非常勤嘱託職員のうち、要介護認定審査が法で定められた期間内にできていない現状を、どのように課題解決していくのかについてでございますが、国におきましては、来年度から認定有効期間の延長や、2次判定手続の簡略化などの認定事務処理体制の効率化を図る見直しが予定されております。  本市といたしましては、この見直しに対応できる体制整備に努めてまいりたいと存じます。  また、介護保険分野の非常勤嘱託職員のうち、介護保険分野における非常勤嘱託職員の賃金アップの処遇改善を行っていく考えについてでございますが、本市における介護支援専門員や認定調査員などの非常勤嘱託職員の賃金といたしましては、県内市町の中で最も高い水準となっております。  このことから、現在のところ賃金の引き上げは考えておりませんが、今後、さまざまな取り組みなどを行うことによりまして、人材の確保に努めてまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。

【太田】

次に、大項目3の質問を行います。  2016年10月6日、規制改革推進会議農業ワーキング・グループが主要農作物種子法の廃止を唐突に打ち出しました。その後、ほとんどの国民に何の情報もオープンにされないまま、第193回通常国会において、賛成多数で主要農作物種子法を廃止する法律案が可決されました。  種子法は、米・麦・大豆など、主要作物の品種改良を国・都道府県の公的研究機関が行い、良質で安価な種子を農家に安定的に供給してきた法制度です。  私たちが食べる米の種もみをつくるには、そのもととなる原種の増殖、さらに、そのもととなる原々種の増殖が必要で、農家の手に渡るまでには、最低でも4年もの時間がかかります。また、新品種の開発には10年以上かかるとも言われています。これらは、専門的な技術を持った農家や農業試験場が行い、品質維持のために人の目でチェックをするなど、多くの労力が費やされています。そして、各都道府県は、地域に合った種子計画をつくり、農家に安定供給する責任を負ってきました。  こうした種子の生産・普及のため、これまで国は、責任を持って都道府県に予算を投じてきました。しかし、種子法がなくなることで、その根拠は失われてしまいます。また、特に外資が種子生産に参入した民間は独占されかねないなど、懸念の声が国会審議で明らかにされ、農政学者や都道府県関係者からも批判が上がりました。  今回の廃止では、1、優良な品質の種子の流通を確保するため、種苗法に基づき、主要農作物の種子の生産等について適切な基準を定め、運用すること。2、都道府県がこれまでの体制を生かして、主要農作物の種子の生産及び普及に取り組むに当たっては、その財政需要について、引き続き地方交付税措置を確保し、都道府県の財政部局も含めた周知を徹底するよう努めること。3、主要農作物種子が、引き続き、国外に流出することなく、適正な価格で生産されるよう努めること。4、消費者の多様な嗜好性・生産地の生産環境に対応した多様な種子の生産を確保すること。特に、長期的な観点から消費者の利益、生産者の持続可能な経営を維持するため、特定の事業者による種子の独占によって弊害が生じることのないよう努めること。  以上、四つの事項の実現に万全を期すべきであると附帯決議が採択されました。  政府も、廃止されても公的な種子生産は続くとしていますが、利益を優先する民間企業に任せていけば、安定的な種子供給が行われるのか、大きな疑問があります。  高松市では、本年度当初予算に、麦生産拡大推進事業費として260万円程度の予算をとっています。優良な麦の育成のため、一定規模以上の麦農家に対して、種子代を補助するものです。昨年度は80件ほどの補助を行っています。  また、現在、日本では約300品種もの米がつくられています。特定の地域でしか栽培されていない品種の米、例えば、おいでまいなどは地域振興の看板にもなっています。このように、地域や気候に合った品種の種が供給され続けてきたのも、法的な制度や予算などの支えがあったからこそです。  香川県農業試験場では、香川県産の小麦で讃岐うどんをつくりたい、食べたいという要望を受け、1991年に讃岐うどん用小麦の品種開発を開始しました。2000年に第1号として育成した、さぬきの夢2000に続き、2009年には、その後継品種として、さぬきの夢2009を育成し、新たに奨励品種に採用されました。そして、香川県で育成された小麦品種は、香川県外での生産はできないことになっています。  国や都道府県の責任を定めた法律がなくなり、民間企業任せにして、果たしてこの先、日本の食を支えられるのでしょうか。これは、農家に限らず、私たち消費者にとっても大きな問題です。学識者からも、公的機関が税金を使って育成した品種という、いわば国民の財産を民間企業へ払い下げ、低廉な種子を民間種子産業に譲り、さらに、都道府県が開発・保全してきた育種素材をもとにし、それで特許を取得するといった事態などを懸念する意見もあります。  さらに、種子法廃止がその推進根拠でもある生産資材価格の低下と農業競争力の強化による生産者の所得向上につながるのかという疑念もあります。民間育成品種の種子価格は高いけれど、高収量品種だから結果的に生産者と所得はふえる、とする政府答弁の根拠となるのは、みつひかり、これは種子価格は20キロ8万円、10アール1万6,000円は、開発者である三井化学アグロの内部資料だけであり、第三者によって検証されたデータが示されているわけではありません。麦・大豆については、このような根拠資料さえ提出されていません。種子法の廃止が、先ほど例示した、おいでまいや、さぬきの夢などの全国各地の条件に合った多様な品種を産地銘柄品種として開発し、地域振興の主要な資源にしてきた主要農作物種子制度を弱体化させ、その存続すら危うくさせるのであれば、生産者にとっても、消費者にとっても、大きな打撃になるのではないでしょうか。  お伺いをいたします。  種子法廃止による本市農業への短期的・長期的な影響についてどのようにお考えですか、お答えください。  香川県に対して、種子法廃止後も県において種子の管理・生産を徹底していくように要望する考えについてお聞かせください。  今回の種子法廃止によって、最も懸念されるのは、給食への影響です。現在、学校給食用として供給されている精米は、香川県産の新米ヒノヒカリ・コシヒカリ・おいでまいにビタミン強化米を0.3%添加したものです。  今後も、給食には安定的に、これらの県内産の米が使用されるのかどうか。種子法廃止による給食への影響についてお答えください。  以上で大項目3の質問を終わります。

【創造都市推進局長】

農業を守るまちづくりについてのうち、主要農作物種子法廃止による本市農業への短期的・長期的な影響でございますが、本市農業の基幹的な農作物である米や麦の種子生産につきましては、これまで主要農作物種子法に基づき、香川県が担い、県主要農作物種子協会などの関係機関と連携しながら、安定供給がなされてきたものと存じております。  御指摘のとおり、平成30年4月1日から種子法が廃止されることとなりましたが、県におきましては、おいでまい・さぬきの夢など、県オリジナル品種を含めた優良種子の安定生産の重要性を考慮して、種子法廃止後についても種子の安定供給体制を維持・継続していくと伺っております。このため、現時点では本市農業への種子法廃止が及ぼす影響についてはないものと存じております。  次に、種子法廃止後も県において種子の管理・生産を徹底していくように要望する考えについてでございますが、県におきましては、本年6月に、知事が種子法廃止後の採種事業の円滑な実施に向けて、農林水産省や総務省に対し、安定供給のための体制整備への配慮と優良な種子を生産・供給するための財源の確保について要望したと伺っております。  こうしたことも踏まえ、本市といたしましては、今のところ、県に対して要望する考えはございませんが、引き続き、国や県の動向については注視してまいりたいと存じます。

【教育局長】

種子法廃止による給食への影響についてでございますが、本市では、学校給食で使用する精米は、学校給食用物資を適正かつ円滑に供給するために設立されております、公益財団法人 香川県学校給食会を通して、県内産の新米を購入しているところでございます。  そのため、購入先である県学校給食会に問い合わせましたところ、香川県におきましては、本市が学校給食で使用しております、おいでまいなど県オリジナル品種を含めた優良種子の安定生産の重要性を考慮して、種子の安定供給体制を維持・継続していく方針であるため、これまでと同様、県内産の米を供給することが可能であるとの回答をいただいております。このため、現時点では、本市学校給食への種子法廃止が及ぼす影響については、ないものと存じております。  項目3の答弁は、以上でございます。

【太田】

(2)県に要望する考えについて再質問をいたします。  質問中にも触れましたが、法を廃止してこれまでの制度を変えていくということは、一部、大企業や外資が種子を独占してしまう可能性があり、また、技術の未成熟なGM食品の流通に対する不安・懸念については、市民の方も拭い切れないのではないかと思います。  恐らく、数年間は国が予算措置を行うとしても、長期的に考えると、私たちの食生活において、直接的に影響を及ぼすのではないでしょうか。農家の安定的な所得や市民の食の安全を守るためにも、県にしっかりと要望していくべきだと考えます。  再度、お伺いいたします。  種子法廃止後も県において、種子の管理・生産を徹底していくように要望する考えについてお答えください。  以上で再質問を終わります。

【創造都市推進局長】

33番太田議員の再質問にお答え申し上げます。  農業を守るまちづくりについてのうち、種子法廃止後も県において種子の管理・生産を徹底していくように要望する考えについてでございますが、先ほども申し上げましたとおり、県におきましては、本年6月に、知事が種子法廃止後の採種事業の円滑な実施に向けて、農林水産省や総務省に対し、安定供給のための体制整備への配慮と優良な種子を生産・供給するための財源の確保について要望したと伺っております。  こうしたことも踏まえ、本市といたしましては、今のところ、県に対して要望する考えはございませんが、引き続き、国や県の動向については注視してまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。

【太田】

続いて、大項目の4、ひとり親家庭の支援について質問いたします。  ちょうど1年前、2016年9月定例会の一般質問において、私は、ひとり親家庭についての質問を行いました。そのときも、本市では、ひとり親に対する施策は充実しているにもかかわらず、その施策があるということが、ひとり親当事者に十分周知されていないことを指摘しました。  児童扶養手当現況届の提出時に、窓口で、たかまつひとり親家庭サポートブックを希望者だけではなく、手当受給者全員に手渡す考えについて、再質問での答弁は、児童扶養手当現況届の提出時の8月よりも少しでも早くお渡しできる離婚届の提出時に、市民課等で全員に配付するとともに、全員に手渡せられるように検討していくとのことでした。  先日、離婚届を提出したお子さんを持つお母さんから、書類の提出時に窓口でサポートブックを受け取り、大変助かったとのお声がありました。少しでも、ひとり親になる方の不安を解消する手だてになればと思います。  一方で、今年度8月の児童扶養手当現況届の提出時、私もひとり親当事者ですので、現況届の提出のためこども家庭課の窓口を訪れた際には、窓口にサポートブックが平積みにされていたものの、必要でしたらどうぞ、お持ちください等の声かけはなく、大変残念な思いでした。  そこでお伺いします。  今年度8月の児童扶養手当現況届の提出時には、何冊のサポートブックを手当受給者に手渡しましたか、お答えください。  このサポートブックの中に書かれている事業のうち、ひとり親家庭自立支援給付金事業があります。このうち、自立支援教育訓練給付金とは、就職に役立つ技術を身につけるため、通信教育の受講や専門学校への通学など、教育訓練施設等に支払った経費の60%に相当する額を支給します。また、高等職業訓練促進給付金とは、就職に有利で、生活の安定につながる資格、例えば、看護師・保育士などの国家資格取得のための専門学校等の受講期間のうち、一定期間について高等職業訓練促進給付金を支給します。  高松市内のひとり親家庭は、世帯数は減少しているものの、18歳未満の子供の数自体が減っているため、子育て世帯全体に占めるひとり親家庭の割合に、それほど大きな変動はないものと推測されます。  一方で、これらひとり親家庭自立支援給付金事業の予算は、2015年度4,580万4,000円、16年度3,022万9,000円、17年度2,835万7,000円と、たった2年間で約4割も減少しています。支給実績を見ても、自立支援教育訓練給付金は、2014年度2件、15年度ゼロ件、16年度ゼロ件。高等職業訓練促進給付金は、2014年度41件、15年度24件、16年度20件となっています。四国内で見てみますと、松山市では昨年度、自立支援教育訓練給付金の支給件数は8件、高知市における昨年度の高等職業訓練促進給付金の支給件数は72件と、高松市は、ほかの3市と比較しても給付件数が一番少なくなっています。また、中核市調査においても、ほとんどの市で給付件数は増加しており、高松市のように給付件数が全体的に減少している自治体はほとんど見受けられません。  本当に給付金を必要としている方が全体的に減少しているのであれば問題ありませんが、今の経済状況や格差・貧困の問題などを考慮すると、とてもそうは思えません。  これらの事業について、厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知においては、本制度について周知・広報を行い、必要な情報提供を行うとともに、母子・父子・自立支援員等と密接な連携を図りながら、必要に応じて受講勧奨を行うなど、母子家庭の母、または父子家庭の父の就業を支援することとあります。  予算の減額、また、制度の周知不足は、ひとり親家庭の自立を阻むものではないでしょうか。  これらの事業の予算が年々減額されている理由をお答えください。  サポートブックやホームページでは、事業について説明をされていますが、件数の推移を見ると、不十分な点があるのではないかという印象です。  私は、自立支援教育訓練給付金のおかげでパソコン講座に通い、その後の就職にもつながることができました。ひとり親となり、子供を抱え、これからの生活に不安を持つ方に寄り添い、さらに、きめ細かな周知が必要と考えます。  予算を減額することなく、母子家庭等自立支援給付金事業について、周知・広報の徹底を行っていく考えについてお答えください。  これらの事業とは別に、母子福祉資金等貸付制度があります。これは、ひとり親家庭の親、または児童に対しての各種資金の貸し付けです。  この貸付件数も年々減少しており、新規・継続、全ての区分を統合した件数は、母子福祉資金貸し付けにおいては、2014年度57件、15年度44件、16年度41件となっており、父子福祉資金貸し付けにおいては、直近3年間の貸付件数はゼロ件です。  貸し付けには、かなり幅広い種類があり、計画に基づいて償還、わかりやすく言うと返済を行う必要があります。相談に来た方が、貸し付けにまでつながっていない状況があるのは、返済に対する不安も一つの要因として挙げられると思いますが、ほかに貸付件数が減少している要因をお答えください。  これはあってはならないことですが、窓口に相談に来た方に対して、貸し渋りを行うというようなことはないですか。例えば、子供の進学時、入学金や授業料等に充てるための費用の貸し付けは、無利子で長期の返済期間20年以内とし、返済の負担に配慮しているということは、丁寧に説明されているのでしょうか。  高松市としては、この貸し付けの件数をふやしていこうとしているのか、それとも減らしていきたいと考えているのか、市としての姿勢をお答えください。  もちろん、ひとり親だけではなく、子育て世帯全体に対して、今、公的な支援が多く求められています。ニーズの多様化、家族の形態の多様化、市として対応すべき課題が山積していることは理解できますが、小さなため息を聞き逃すことのない支援をしていくべきと考えます。  以上で項目4の質問を終わります。

【健康福祉局長】

ひとり親家庭の支援のうち、今年度の児童扶養手当現況届の提出時に手渡した、ひとり親家庭サポートブックの冊数についてでございますが、ことし8月1日から31日までの児童扶養手当現況届の受け付け期間中に、現況届を提出された3,987人の中には、既に冊子をお持ちの方や、さまざまな理由から御案内ができなかった方などがおられ、これらの方を除く、2,111人の方に手渡しております。  次に、母子家庭等自立支援給付金事業の予算が年々減額している理由についてでございますが、国の制度改正により、平成24年度以降、支給期間及び支給月額が段階的に見直されたことに伴い、支給件数及び支給総額が年々減少し、その結果として予算が減額となったものでございます。  次に、母子家庭等自立支援給付金事業について、周知・広報の徹底を行っていく考えについてでございますが、今後とも、必要な予算を確保しながら、窓口に相談に訪れた方々に対し、個別に周知するほか、たかまつひとり親家庭サポートブックの本庁窓口や総合センター・支所・出張所などへの配置、本市ホームページへの掲載などにより、周知・広報を徹底してまいりたいと存じます。  次に、母子福祉資金等貸付制度について、貸付件数が減少している要因でございますが、新規貸し付けにつきましては、平成26年度が11件、27年度が21件、28年度が19件と増加傾向にありますものの、貸付件数が多かった23年度及び24年度からの継続貸し付けが終了したことに伴い、貸し付けの総件数が減少したものでございます。  次に、同貸し付けの件数に対する市の姿勢についてでございますが、この貸付制度は、ひとり親家庭の技能習得や子供の進学等に際しての必要となる費用を貸し付けることにより、その家庭の経済的自立等を図るものでございまして、これまでも、ひとり親家庭からのさまざまな相談を親身に聞き取り、ともに考えながらこの貸付制度を含め、利用できる制度を御案内をしてきているところでございます。  また、本市におきましては、ひとり親家庭の経済的困窮度が高い現状等を踏まえ、本年度末を目途に、高松市子どもの貧困対策推進計画(仮称)を策定することとしているところでございます。  このようなことから、今後におきましても、支援を必要としている、全てのひとり親家庭の経済的自立と子供の福祉の増進を図るため、それぞれの状況に応じた必要な貸し付けを引き続き行ってまいりたいと存じます。  項目4の答弁は、以上でございます。

【太田】

(3)について再質問を行います。  最後の項目の答弁で、局長は、支援を必要としている全てのひとり親家庭に支援が行き届くようにと答弁されましたけれど、子育てに追われて仕事をしているお父さん・お母さん・ひとり親家庭の方には頻繁にホームページがチェックできる余裕があるとは思えません。また、最近、「たかまつホッとLINE」というのがありますけれど、昼休みに見ると、いいねの件数は10件以下です。もっと効果的で有効な方法を考えなければ、届かなければならない人のもとへ情報は届かないのではないでしょうか。もう少し具体的な周知、そして、広報の方法も含めて、再度お伺いをいたします。  当事業について予算を減額することなく、事業の周知・広報の徹底を行っていく考えについてお答えください。

【健康福祉局長】

 33番太田議員の再質問にお答え申し上げます。  ひとり親家庭の支援のうち、母子家庭等自立支援給付金事業について、周知・広報の徹底を行っていく考えについてでございますが、今後とも必要な予算を確保しながら、まずは、窓口に相談に訪れた方々に対し、個別に周知することが必要と存じておりまして、たかまつひとり親家庭サポートブックの本庁窓口や総合センター・支所・出張所などへの配置、本市ホームページへの掲載、さらには、ただいま御説明のありましたSNSの今後の活用も含め、幅広く周知・広報を徹底してまいりたいと存じます。御理解を賜りたいと存じます。


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