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議事録

2017年6月定例会 一般質問

6.16.2017

【太田】

大項目1の質問を行います。
 高松市の2015年の総人口に占める65歳以上の割合、高齢化率は27.0%で、全国平均26.6%とほぼ同じです。今後、高齢化率は2045年には37.7%に達し、10人に4人が高齢者になると見込まれます。
 現在、高松市では、高齢者が居住する住宅のバリアフリー化を補助する、高齢者住宅改造助成制度があります。毎年度、約30件ほどの助成件数があり、助成金額の総額は約1,000万円前後で推移しています。対象は、浴室・洗面所・便所・玄関・廊下・階段・居室・台所の改造で、例えば、手すりの設置・段差解消・スロープの設置・床材の変更などです。
 先日、公表された高松市高齢者の暮らしと介護に関するアンケート調査結果報告によると、約8割と、大半の高齢者が一戸建ての持ち家に住んでいることが明らかになりました。一方で、持ち家・賃貸、合わせて集合住宅に住む方は約1割でした。
 現在、高齢者住宅改造助成制度の対象となるのは、持ち家・賃貸問わず、一戸建てもしくは集合住宅の居室内のみとなっています。つまり、共同住宅の共用部分は適用外です。居室までの階段に設置する手すりには補助がおりず、どうしたものかと頭を抱えているオーナーさんもいらっしゃいます。
 現在、新潟市・伊丹市・神戸市など、多くの自治体では、共同住宅の共用部分のバリアフリー化に対しても補助制度があります。その大きな目的は、やはり、誰もが安心して暮らせる住まいづくりを推進するためです。
 そこでお伺いします。
 共同住宅の階段等に手すりや段差解消のスロープを設置するなど、共用部分のバリアフリー化を進めるための工事費の一部を助成する制度創設の考えについてお答えください。

 

【市長】

 バリアフリー化の助成に関し、高齢者が入居する共同住宅の共用部分のバリアフリー化を進めるため、工事費の一部を助成する制度を創設する考えについてであります。
 本市におきましては、日常生活で介助を必要とする高齢者を対象に、自宅の浴室やトイレ等のバリアフリー化改修について、その費用の一部を助成し、高齢者の自立と家族の負担軽減を図っているところでございます。
 一方、国におきましては、本年4月、住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律を公布し、本年10月25日までに施行することといたしております。今回の主な改正点は、住宅セーフティーネット機能を強化するため、高齢者や子育て世帯等の入居を受け入れる賃貸住宅として、所有者等が都道府県や中核市等に登録することを条件に、共用部分も含めたバリアフリー改修工事に係る費用の一部を助成するというものでございます。
 現時点におきましては、この事業の詳細な制度設計が示されておりませんが、御質問の趣旨にも沿い、在宅を中心とした地域包括ケアの実現にも、効果が期待できるものと存じます。
 今後、国からの通知や今月に予定されております県からの説明を踏まえ、本市として具体的な枠組みについて検討するなど、積極的に対応してまいりたいと存じます。
 項目1の答弁は、以上でございます。

 

【太田・再質問】

 今、新たな住宅セーフティーネット制度を活用するということで答弁いただきましたけど、私は、この制度には、今回の質問の視点から2点の懸念があります。
 1点目、国土交通省の資料によりますと、空き家対策の面が強いように読み取れました。現に、居住実態のある住宅に制度が適用されるのかということ。2点目は、先ほど市長は、共同住宅の共用部分にも適用されるとおっしゃいましたけれど、資料には記載がありません。2点について、本当に適用されるのか懸念があります。
 この制度自体は、本当にいい政策だと思いますが、その制度から、こぼれ落ちてしまう人ができてしまうと元も子もありません。この制度が今回質問の内容に適用されなかった場合のフォローアップ策として、高齢者が現に居住している共同住宅の共用部分のバリアリー化への助成を本市として行う考えはあるのかを踏まえて、再度御答弁ください。

 

【市長】

 バリアフリー化の助成に関し、高齢者が入居する共同住宅の共用部分のバリアフリー化を進めるため、工事費の一部を助成する制度を創設する考えについてであります。
 現時点におきまして、共用部分も対象となると承知いたしておりますが、いずれにいたしましても、この事業の詳細な制度設計が示されておりませんので、今後、国からの通知や今月に予定されております県からの説明を踏まえ、本市として御質問の趣旨を踏まえながら、どう対応できるのか、具体的な枠組みについて検討するなど、積極的に対応してまいりたいと存じます。

 

【太田】

 次に、大項目2です。
 市道福岡町3号線は、高松市福岡町一丁目11番地先を起点に、競輪場駐車場の西側を通り、さぬき浜街道を北へ抜ける高松市道です。起点から約200メートル北には、高松市杣場川駐車場があります。
 現在、高松市は10カ所の公営駐車場を管理しています。杣場川駐車場は、昭和63年4月8日に供用が開始された駐車場で227台の収容が可能となっています。
 過去5年間の統計を見てみますと、2013年までは年間利用率が約17%でしたが、2014年以降は約37%に急増しています。これは、県立中央病院が朝日町に移転建設されたことによる、定期駐車台数の増加に伴うものと推測されます。
 さて、杣場川駐車場を出て北へ向かう道路──市道福岡町3号線ですが、高松海岸線に至る直前で、歩道がぷっつりと途切れています。朝の通勤時間には、車の抜け道にもなっている道路で、歩行者は車の真横を歩くようになっていて、非常に危険です。
 この福岡町3号線と高松海岸線との交差部分、南西角には木々の生い茂った一角があります。また、そこには建物がありますが、管理が適正に行われている様子は見てとれません。通学路ではないにせよ、通勤・退勤時には多くの歩行者が行き交う道路です。
 そこでお伺いします。
 市道福岡町3号線の歩道を高松海岸線まで延伸し、歩行者等の安全を確保する考えについてお答えください。

 

【都市整備局長】

 市道福岡町3号線に関し、歩道を高松海岸線まで延伸し、歩行者等の安全を確保する考えについてでございますが、福岡町3号線の高松海岸線南側の約40メートル区間につきましては、道路幅員約11メートルのうち、東側には歩道があり、車道は右折専用レーンを含め、3車線となっており、西側については、南の片原町沖松島線から続く歩道が途切れ、歩行者等の通行に支障を来している状況となっております。
 このような状況を踏まえ、本市といたしましては、歩行者等の安全対策が必要と認識しておりまして、まずは、交通量調査を行い、交差点付近の状況を確認した上で、既存の道路幅員などでの歩行者等の通行空間の確保について、県警や香川県など関係機関と協議してまいりたいと存じます。
 項目2の答弁は、以上でございます。

 

【太田】

 次に、大項目3です。
 現在、高松市では、有人ポート3カ所、無人ポート4カ所で、自転車の貸し出し──レンタサイクル事業を行っています。利用件数は、年間約30万件強で推移しています。平たんな高松の町は、自転車で走りやすく、観光スポットをめぐるにも大変便利で、土日にもなれば、うどん屋にもレンタサイクルがとまっているのをよく目にします。何より、地球に負荷をかけない優しい乗り物です。
 さて、レンタサイクルには、観光地の二次交通としての側面があります。特に、本市においてはそれが顕著です。高速バスや電車などで本市に訪れた方が、市内での移動手段としてレンタサイクルを利用するのには、カバーエリアの面で、徒歩と自動車の中間的な性格を有しているからと言えます。
 先ほど述べました、うどん屋にとまっているレンタサイクルは、まさにその典型ではないでしょうか。言うまでもなく、私たちは今まさに少子・高齢化社会を迎えています。そして、今、どこの地方自治体もそろって力を入れているのが観光振興です。この二つをうまく組み合わせることで、優しい観光地の実現が可能になると考えています。
 レンタサイクルポートに車椅子を配備することは、その大きな足がかりになるのではないでしょうか。現在、車椅子を配備している観光スポットはふえてきています。しかし、そこまでの移動手段を考えたとき、駅から少し距離もあるし、歩くのはしんどいし、諦めようかとなってしまうのは、観光したい御本人にとっても、御家族や御友人にとってもつらいものがあります。駅をおりてすぐの場所にレンタルできる車椅子があるだけで、高齢者、障害を持った旅行者の気持ちがどんなに晴れやかになるでしょうか。
 私が調べた限りでは、観光スポットや庁舎・行政機関といったピンポイントの場所以外でのレンタル車椅子を行っている事例というのは、さきの定例会で中村秀三議員も例示されていたように、鳥羽市でNPOが行っている市内7カ所での貸し出しの事例だけでした。道路の整備率が高く、どこへ行くにも、ほどよい距離感の高松だからこそ、取り入れることができると思います。また、障害者差別解消法の趣旨にも合致するものと考えます。
 お伺いします。
 レンタサイクルポートにレンタル車椅子を導入しようとした場合、ハード面及びソフト面で、どのような課題が挙げられますか、お答えください。
 高齢者や障害を持った方でも、観光を十分に楽しんでいただけるよう、また、観光だけではなく、市内在住の方の通院や積極的な外出にもつながるように、レンタサイクルポートにレンタル車椅子の導入を図る考えについてお聞かせください。
 導入の際には、使用しなくなった車椅子を市民の方に提供していただくなど、導入経費を抑える方法は幾らでもあると思います。高松の事例が全国の先進事例になることを期待しています。
 さて、これまでは車椅子の導入ということで、いわば目に見える障害を持った方についての質問でした。車椅子を使用している、つえを突いている、補助具を使っているなど、見てすぐに、何か手助けが必要かもしれないと私たちは判断することができます。
 しかし、社会の中には、多くの、目に見えない障害を持った人たちがいます。例えば、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、さらには、何かの拍子で発作的に症状があらわれる、例えばパニック障害などの精神的な疾患を持った方、高次機能障害の方など、このように、外見からわからなくても、援助や配慮を必要としている方々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで援助を得やすくなるよう、東京都が2012年にヘルプマークを作成しました。現在では、ヘルプマークの配布や優先席へのステッカー表示等を、全ての都営地下鉄・都営バス・私鉄電車・都立病院などに拡大して実施、2014年からは民間企業への働きかけも実施しています。
 本日は、議長の許可を得て、実物をお示しします。(ヘルプマーク本体及びパンフレットを指し示す)こちらが、実際、東京都保健福祉局から送っていただいたヘルプマークのサンプルと啓発チラシです。ヘルプマークは、かばんにつり下げられるタイプになっています。裏面には、シールを張って、必要な支援を記載することができるようになっています。
 例えば、私は耳が聞こえないので、筆談をお願いしますと書いている方や、発作が起こったときの対処法、服用している薬などを書いている方もいます。
 パンフレットの中には、ヘルプマークに関するエピソードが幾つか掲載されています。例1、ディスレクシア──読み書き困難があり、銀行で書類を書くのがとても大変。でも、シールに支援してほしいことを書いたヘルプマークを見せると、さりげなく教えてくれて、スムーズに手続ができる。しかも、大勢のお客様がいる中で、毎回、自分の障害を説明しなくていいのでストレスが減った。例2、慢性疾患があるので、つらいときは助けてもらいたい。でも、元気なときはヘルプマークをかばんにしまっている。できるときはお手伝いしようと思う。支援する側にもなれるということがうれしいなどです。
 また、ヘルプマークは、青森県・東京都・徳島県など8都府県で導入済み。栃木県・岐阜県・大阪府では、ことし8月から導入予定。市町単位では、宮城県亘理町、兵庫県高砂市、岡山県総社市・浅口市・井原市・里庄町で導入済み。北海道札幌市では、ことし秋ごろから導入予定と、全国で広がりを見せています。
 もちろん導入しただけでは、形だけで終わってしまいます。このヘルプマークがどういう意味を持つのか、ヘルプマークを身につけた方を見かけた場合は、電車・バス内で席を譲る、困っているようであれば声をかける等、思いやりのある行動をとれるように、しっかり周知・啓発を行っていく必要があります。
 ヘルプマークと同じような趣旨でつくられたのが、マタニティマークです。今から10年以上前に導入されました。妊娠初期は、赤ちゃんの成長はもちろん、お母さんの健康を維持するためにも、とても大切な時期です。しかし、外見からは見分けがつかないため、電車で席に座れない、たばこの煙が気になるなど、妊婦さんにはさまざまな苦労があります。
 国民運動計画「健やか親子21」推進検討会において、妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保を目指し、マタニティマークを発表しました。マークは、妊婦さんが交通機関等を利用する際に身につけ、周囲に妊婦であることを示しやすくしています。また、交通機関・職場・飲食店等が、呼びかけ文を添えてポスターなどとして掲示し、妊産婦さんに優しい環境づくりを推進するものです。今では、社会全体に浸透しています。
 今回、ヘルプマーク導入のための質問をするに当たって、東京都福祉保健局障害者施策推進部に直接お話を伺いました。初年度は1万5,200個を作成し、5年間で累積配布個数は16万5,000個だそうです。ヘルプマーク1個当たりの作成単価は130円から140円。このように、作成個数の検討や周知啓発に係る費用も必要になってきますが、障害のある人もない人も、ともに安心して暮らせる社会の実現を目指すためにも、導入は効果的と考えます。
 そこでお伺いします。
 目に見えない障害を持った人たちが、周囲の方の援助を得やすくなるよう、ヘルプマークを導入する考えについて、お答えください。

 

【都市整備局長】

 全ての人が暮らしやすい、訪れやすい街の実現についてのうち、レンタル車椅子に関し、レンタサイクルポートにレンタル車椅子を導入する場合、ハード・ソフト面では、どのような課題が挙げられるのかについてでございますが、これらのポートにレンタル車椅子を導入する場合の課題といたしましては、ハード面で、車椅子の車幅に合わせた入出庫ゲートの改修や、料金収受システムの変更などを要するとともに、ソフト面でも、管理業務の増加に伴う委託料を要するなど、新たな経費の負担が生じるほか、無人化できているポートへの職員の再配置が必要になるものと存じます。
 次に、レンタサイクルポートにレンタル車椅子を導入する考えについてでございますが、御提案のレンタル車椅子の導入につきましては、高齢者や障害を持った方にとって、本市への旅行を楽しめ、また、市民においては積極的な外出の契機となるものと存じますが、先ほども申し上げましたように、種々の課題がございますことから、まずは、利用者のニーズについて、観光の振興や障害者等の社会参加の促進などの観点も踏まえ、関係局とも連携し、調査・研究してまいりたいと存じます。

 

【健康福祉局長】

 目に見えない障害を持った人が援助を得られるよう、ヘルプマークを導入する考えについてでございますが、御質問にもございますように、外見からわからなくても、援助や配慮を必要としている方々が、このヘルプマークを身につけることで、周囲の人に配慮を必要としていることを知らせることができ、援助を得やすくなるものと存じます。
 また、マークを作成した東京都が、その利用方法として示しておりますように、周囲の人が、電車やバスなどの公共交通機関の中で席を譲ったり、駅や商業施設等での声かけなどの援助をするといった、思いやりのある行動を促進する上でも有効であるものと存じます。
 このようなことから、本市といたしましては、マークの配布方法や利用の周知方法、また、導入に際しての課題など、実施自治体の状況も確認の上、導入に向けて検討してまいりたいと存じます。
 項目3の答弁は、以上でございます。

 

【太田】

 最後に、アディクションについての質問を行います。
 依存症について、2015年12月定例会でも一般質問を行いました。1年半がたち、高齢化、低賃金労働、格差の拡大、社会を取り巻く情勢は、さらに厳しくなったと肌で感じることが多くなりました。依存とは、特定の物質や行動にのめり込み、心身の健康や生活を脅かしているにもかかわらず、やめることができない状態を指します。大きく分けて、アルコール・薬物といった精神作用物質を摂取する物質系の依存と、ギャンブル・買い物・インターネット・過食・拒食・ダイエット・恋愛・性行為・自傷行為など、特定の行動にのめり込む非物質系の依存の2種類があります。このうち、医学的な診断基準を満たす場合を依存症と言います。
 しかし、依存対象によっては、医学的な定義や診断基準が存在しないものもあります。そうしたものを含め、本人・家族の生活を脅かしているにもかかわらず、やめることのできない、不健康にとらわれた習慣のことをアディクションと言います。
 依存症──アディクションは、意志の弱さや性格の問題ではなく、コントロールできないということ、そのものが症状であり、必要なのは処罰や叱責ではなく、適切な治療や支援です。リハビリ施設や自助グループなどにつながることによって、回復の道を歩むことが可能です。
 前回、依存症について取り上げた際、市長は答弁の中で、本市においては関係機関や支援団体等と個別ケースごとに検討会議を開催した上で、アルコール依存症の本人や家族へ支援を行っていると述べられました。
 このアルコール依存症に関する検討会議に至る過程を詳細に説明してください。
 また、年間何人ほどの支援を行っていますか、お答えください。
 現在、仏生山に新病院が整備されています。現在の市民病院は、精神科医の医師不足で、新規患者の受け入れは行っていません。しかし、新しい病院を開院するに当たって、たとえ市民病院での治療が不可能であっても、依存症と診断された人を、ほかの依存症治療機関や民間病院を紹介する、しかるべき機関につなげる役割を担う依存症専門外来を、週に一回でも開設できないでしょうか。
 アルコール依存症治療で有名な久里浜医療センターの樋口 進医師は、依存症患者が受診率や回復率を高めていくためには、関係機関の連携が必要と述べられています。
 厚生労働省の患者調査2014年では、アルコール依存症の患者は約4万9,000名でしたが、厚生労働研究2013年では、アルコール依存症者は約109万人と推計されています。つまり、アルコール依存であるにもかかわらず、どこの医療機関にもかかっていない、受診をしていない人がほとんどである、治療ギャップがあるということです。
 この治療ギャップを埋めるためには、専門の医師以外の協力が重要となります。アルコール依存症の場合、依存症になっていない境界線上の人も含め、多くは内科系の受診を先に行います。肝臓障害や膵炎・高血圧など、何らかの不調を抱えていますが、内科の担当医師の多くは、お酒を控えてはどうですかで終わってしまいます。お酒を控えてはどうですかのアドバイスだけではなく、正しい方法でカウンセリングを行い、依存症のリスクがあれば、専門の医療機関を紹介するようにしなければなりません。
 また、アルコールや薬物の問題を抱える人や、その家族が相談できる窓口が、全国各地に用意されているということの周知が、まだまだ足りていないと感じます。
 さらに、アルコールを摂取し過ぎているけれど、今のところ、依存症とは診断されていない人に対し、簡単なカウンセリングを行うことにより、飲酒量を減らし、依存症を予防する簡易介入というWHO──世界保健機関が指導する技法があります。これを広く普及していくため、ツールやマニュアルを策定する必要もあります。
 このように、アルコールや薬物依存に対して自治体ができることというのは、まだまだたくさんあります。
 現在、依存症を専門に診察できる精神科病院は限られています。また、先ほど述べたように、依存症であるにもかかわらず、まず、内科を受診する人が多く、内科から精神科・専門治療機関へつなげることができないという現状があります。総合病院だからできることがあるはずです。
 新病院に依存症外来を開設する考えについてお聞かせください。
 平成27年度厚生労働科学研究障害者対策総合研究事業「アルコール依存症に対する総合的な医療の提供に関する研究」のうち、「アルコール依存症の治療・社会復帰に対する医療機関、行政、自助グループ、社会復帰施設等の連携のあり方に関する研究 第2報」によると、アルコール依存症の治療導入の入り口の状況を明らかにすべく、調査1から3までの、アルコール依存症を医療につなぐための多機関連携・活動、状況についての調査を実施しています。
 所管は、香川県の精神保健福祉センターですが、調査1においては、多機関連携及び活動の内容は未記入、連携機関・その他にはダルクが記載されています。ほかの多くの精神保健福祉センターが所管内市町との連携を掲げている中で、香川県と高松市との連携がしっかりとれているのか、不安になる回答となっています。連携内容についても無記入のため、実態が見えてきません。小項目の最初に、検討会議に至る過程をお伺いしたのは、このような調査結果から見ても、県内市町と県、また、当事者・医療機関・自助グループとの連携がしっかりとれているかが見えていないことに起因します。
 具体的に、県や医療機関・自助グループ等と、高松市がどのように連携をとっているのか、お答えください。
 最初に述べたように、依存の対象は、ギャンブル・買い物・インターネット・過食・拒食・ダイエット・恋愛・性行為・自傷行為など、さまざまです。今後、さらに、依存の対象は、多様化・複雑化していくことが予想されます。事実、アルコール依存と共依存、摂食障害とクレプトマニア──窃盗症、薬物依存と性行為依存などのように、高い確率で併発する、いわばセットで起こることが多いクロスアディクションも多く指摘されています。また、健康へのリスクや反社会性など、同じような負の側面を保ちつつ、幾つものアディクションを渡り歩いていく例も多く見受けられます。物質系・非物質系に限らず、依存の背景にある生きづらさを、私たちは正しく理解しなければなりません。
 以前、担当課とのやりとりの中で、学校教育の中での依存症教育の大切さを訴えました。やはり、何より印象に残るのは、依存症当事者、そして、家族の体験談を聞くことなのです。薬物は体に悪いです、スマートフォンの使い方に気をつけましょう、朝・昼・晩、きちんと御飯を食べましょうと言われても、上辺だけの理解で終わってしまいます。
 そこでお伺いします。
 学校教育の中で、依存症に触れる折には、依存症者及び家族の体験談を積極的に取り入れる考えについてお聞かせください。
 特に、低年齢化しているインターネット依存については早急な対応と、的確な指導が必要です。
 最後に、高松市では、現在、保健センターにおいて、アルコール問題を抱える家族のつどいを非常に充実した内容で行っています。また、11月2日には、不適切な飲酒によるアルコール健康障害について学ぶためのセミナーが開催される予定です。これらの取り組みは、大変評価できるものです。これに加え、地域の中で依存に関する問題を抱えた人や、その家族の早期発見につなげるためにも、各保健ステーションでの依存症問題の個別相談会等を行う考えについてお聞かせください。
 依存症は、完治する病ではありませんが、適切な治療と支援があれば、回復が十分に可能です。保健所等に早期に相談していただきたいのですが、依存症者やその家族の中には、依存症を自覚していない人や、自覚はしていても、どこに相談に行けばいいかわからないという人が少なくありません。依存症者が依存を乗り越え、社会全体で依存症者を回復へつなげるためには、私たちの本当に正しい理解が必要であることを再度訴え、質問を終わります。

 

【健康福祉局長】

 アディクション支援のうち、アルコール依存症に関する検討会議に至る過程についてでございますが、検討会議は、本人のみならず、家族や周囲に深刻な影響や社会問題を生じさせる危険性が高い場合などにおきまして開催しているところでございます。
 この検討会議では、警察署を初め、県の保健機関や学校・相談支援事業所・医療機関等が参加し、情報共有の上、支援方針を決定しているところでございます。
 次に、年間の支援人数でございますが、昨年度は延べ97人でございます。

 

【病院事業管理者】

 みんなの病院に依存症外来を開設する考えについてであります。
 市民病院では、現在、専門外来としてニコチン依存の治療を行う禁煙外来に加えて、フットケア外来・がん相談外来・セカンドオピニオン外来など、多種多様な専門的治療を実施しております。
 依存症は、適切な治療と支援により、回復が十分に可能な疾患である一方、治療を行う医療機関が少なく、その情報も乏しいことなどの理由により、患者が適切な治療を受けることができないという現状があり、これらの対応策の検討が課題であると存じております。
 新病院では、現在行っている専門外来を、引き続き実施することとしておりますが、依存症外来、とりわけアルコールや薬物の依存症外来につきましては、精神科医や専門スタッフの不足などにより、開院時に設置することは困難な状況でございます。
 しかしながら、御提言にもございますように、内科外来等での診察や精神科医との院内連携により、依存症と診断できるケースもありますことから、この場合においては、当面、専門の治療機関への紹介を行うなど、地域医療支援病院として適切に対応してまいりたいと存じます。

 

【健康福祉局長】

 県や医療機関・自助グループ等との連携についてでございますが、本市におきましては、御紹介のありました団体のほか、警察署・刑務所・支援団体等で構成する高松市アルコール関連問題ネットワーク会議を平成24年度に設立し、事例検討や情報交換等を行い、連携・協力体制を構築しているところでございます。
 また、自助グループ等との連携につきましては、アルコール問題を抱えた家族を対象として、アルコール問題を考える家族のつどいを開催し、オブザーバーとして自助グループ等に出席していただくとともに、本市からは、自助グループの定例会や研修会等に出席し、情報交換を行うなど、連携を図っているところでございます。

 

【教育長】

 学校教育の中で、依存症者及び家族の体験談を積極的に取り入れる考えについてであります。
 現在、小学校6年生と中学校3年生の保健学習では、依存性がある喫煙・飲酒・薬物について、常習化すると将来にわたり、心身の健康へ大きな影響を与える依存症になることから、注意が必要であることなどを学習しております。
 また、昨年度実施した本市の小中学生のスマートフォン等の使用実態調査において、スマートフォンやゲーム機等の長時間及び夜遅くまでの使用実態が明らかになり、インターネット依存の防止や自己管理能力の育成とともに、温かい家庭づくりにつなげることを目的に、メディアの使用を休止、もしくは制限するノーメディアについて啓発をしているところでございます。
 御質問にございます依存症につきましては、本人の心身に悪影響を及ぼすだけではなく、家族関係の悪化や健全な社会生活に悪影響を及ぼす可能性があることから、子供のころからの適切な指導が重要であると認識しております。
 御提案の、依存症者及び家族の方の体験談を学校教育に取り入れるという学習方法につきましては、依存症者や家族のプライバシーへの配慮、体験談の内容等を考慮した上で、各学校において適切に判断すべきものであると存じます。
 教育委員会といたしましては、将来にわたり、さまざまな依存症にならない教育に役立てるよう、保健学習等におきまして、依存症に関する著作物や依存症者の手記等の教材としての活用などを各学校に助言してまいりたいと存じます。

 

【健康福祉局長】

 各保健ステーションでの依存症問題の個別相談会等を行う考えについてでございますが、初期段階での相談等につきましては、各保健ステーションにおきまして実施しているところでございますが、より専門性を要する相談等につきましては、それらの知見を有する人員体制の関係から、桜町の保健センターを拠点に実施しているところでございます。
 このようなことから、各保健ステーションにおきまして、個別相談会等の実施は困難と存じますが、今後とも、各保健ステーションで把握し、より専門性な対応が必要なケースにつきましては、速やかに桜町の保健センターにつなぎ、解決に向けた支援を行ってまいりたいと存じます。
 項目4の答弁は、以上でございます。

 

【太田・再質問】

 (6)各保健ステーションでの依存症問題の個別相談会等を行う考えについて再質問をいたします。
 国が示したアルコール対策基本計画には、重点課題として、早期の介入と相談体制、地域での連携などが挙げられています。また、2015年に示された高松市地域包括支援センター・保健センター出先機関の統合整備方針には、統合整備の目的として、地域における総合的な保健・福祉の相談窓口機能の充実、保健・福祉サービスの向上と明記されています。
 先ほどの答弁の中の年間100人近い支援とは、決して少なくない数だと思います。これは、いわば問題が顕在化した人たちです。表にはあらわれていない依存で悩んでいる本人や御家族は、より多く存在していると思います。人員不足など課題があることは十分承知していますが、保健ステーションは、より地域に根差して集中的に相談会の周知を行うことで、顕在化していない依存症の人たちを早期の段階で支援につなげることができると考えます。
 再度お伺いいたします。
 各保健ステーションでの依存症問題の個別相談会等を行う考えについてお答えください。

 

【健康福祉局長】

 アディクション支援のうち、各保健ステーションでの依存症問題の個別相談会等を行う考えについてでございますが、初期段階での相談等につきましては、各保健ステーションにおきまして実施しているところでございますが、より専門性を要する相談等につきましては、それらの知見を有する人員体制の関係から、桜町の保健センターを拠点に実施しているところでございます。
 このようなことから、各保健ステーションにおきまして、個別相談等の実施は困難と存じますが、御質問の趣旨を踏まえ、地域での連携の趣旨も踏まえながら、今後とも、各保健ステーションで把握し、より専門的な対応が必要なケースにつきましては、速やかに桜町の保健センターにつなぎ、解決に向けた支援を行ってまいりたいと存じます。御理解賜りたいと思います。

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