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議事録

2016年3月定例会 討論

市民派改革ネットを代表して討論を行います。  議案第1号平成28年度高松市一般会計予算、議案第15号平成27年度高松市一般会計補正予算(第5号)、議案第26号高松市長等の給料その他給与支給条例の一部改正について、議案第27号高松市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正について反対討論を、陳情第3号・第4号・第5号について賛成討論を行います。  まず、平成28年度高松市一般会計予算中、屋島山上交通アクセス向上対策費3,500万円について、これは現在、屋島ドライブウエイを経営している民間会社にドライブウエイの無料化実証実験事業を委託するものです。  ドライブウエイの通行は無料になりますが、山上で駐車場料金を徴収する計画案もあり、通行量はふえても、山上駐車場が有料であることで、そのままUターンする車が続出することも考えられます。そして、無料化実証実験期間中の自動車通行料金と山上駐車場料金の差額は、高松市の税金によって穴埋めされます。観光客は、真に魅力のある観光地であればお金を払ってでも行きたいと思うはずです。  また、瀬戸内海国立公園としての環境税という側面からも、通行料金は徴収すべきと考えます。  加えて、ドライブウエイ近隣の市民の方からは、無料化にすることでマナーの悪い車やバイクの通行がふえ、騒音に悩まされのではないかとの懸念の声も後を絶ちません。そもそも私道における無料化実証実験を税金で行う理由は何らなく、企業努力の衰退を招くものです。よって、屋島山上交通アクセス向上対策費に反対です。  次に、同予算中、高速鉄道調査費66万9,000 円についてです。これは、四国新幹線の導入に向けた調査等に係る予算です。四国鉄道活性化促進期成会の調査によれば、四国新幹線を導入した場合、高松-新大阪間の短縮時間はほんの29分です。大幅な観光客の増加が見込めるとしていますが、逆に地方から都会へ人口が流出してしまうことも大いに予測されます。北陸新幹線の開通で金沢市への観光入り込み客数が増加したことを前面に押し出していますが、新幹線停車駅のない都市は衰退の一途をたどっています。  地方創生というのであれば、都市間での人口の奪い合いがあってはなりません。私たちの会派は、四国新幹線の導入に強く反対するため、高速鉄道調査費について反対します。  次に、同予算中、議会費のうち、議員費用弁償、海外視察費、人間ドック助成費、市議会特別番組作成費について反対します。  費用弁償は、その支給額の明確な根拠も示すことができないまま長年にわたって支給され続けています。市民の多くは、費用弁償の制度自体を知りません。私たちは、市民の納めた税金の使い道を最終的に決定する立場として、その全てにおいて、責任を持って説明できなければなりません。費用弁償は明らかに議員特権であり、昨年9月定例会で述べたとおり、完全廃止すべきです。  海外視察費について、2015年4月の中核市調査では、中核市45市のうち、市議会独自の企画で公費を使って海外視察を行っているのは高松市を含めて4市のみです。これも同じく制度の廃止の検討が必要で、税金を使って海外視察へ行くことには反対です。  人間ドック助成費について、国民健康保険に加入していれば、例えば1日コースであれば1万5,000円の助成を受けることができますが、高松市議会議員の場合、その助成された金額から、さらにその半額を助成するものです。なぜ議員のみが二重に助成を受けることができるのか、到底、市民への納得のいく説明ができませんし、これまでもなされてきませんでした。繰り返しになりますが、これも議員特権以外の何物でもありません。  次に、市議会特別番組について、年に2回、議長特別番組と各会派会長による特別番組を民放局により作成するものです。ICTがこれだけ発展を遂げている現在、性能のよいカメラを1台常備しておけば、インターネット・SNSを活用して議会活動をさまざまな方面に発信することは十分に可能です。それぞれ38万円、78万円という税金を投入して作成することに強く反対します。  補足ですが、各会派会長と銘打っておきながら、少数会派が含まれないことも疑問です。  次に、南部地域スポーツ施設(仮称)整備事業2億9,631万7,000円、2017年度までの債務負担行為2億8,066万5,000円についてです。  この施設は、香川町・香南町の合併協議に基づいた事業なので、どうしてもつくらないといけないといった感じで進められてきました。しかし、地域審議会における議論やこれまでの議会の議論からも、その必要性が全く伝わってきません。  合併特例債は有利な財源と言われ、確かに有効に活用すれば地方自治体にとって有利な財源であるかもしれません。それだけに、全国的に無駄な箱物づくりに利用されているのも事実です。  この施設は、サッカー・ソフトボールなど、多目的に利用可能な夜間照明施設を備えた、人工芝のグラウンドが特色ある施設だとしながら、夜間照明施設の整備は、利用状況を見てから検討するとしています。また、コンパクト・エコシティを目指しながら、わざわざ車で行かなければ利用できない施設は、これからの時代、本当に利用が見込めるのでしょうか。  やはり、とにかくつくらないと合併特例債が使えないから、必要性が乏しく中途半端な施設であってもつくらざるを得ないというのが現実だと思います。  私たちは、このような使い方こそ次の世代にツケを残すものだと考え、南部地域スポーツ施設(仮称)整備事業については反対です。  次に、マイナンバー制度関連3億1,899万8,000円についてです。  ことし1月から、申請した希望者に個人番号カードの交付が始まりましたが、本市においても、地方公共団体情報システム機構の原因不明のシステム障害のため、交付が大幅におくれていることが質疑でも明らかになりました。全国民のデータを扱う巨大システムであるにもかかわらず、いまだに原因が解明されず、多額の税金が垂れ流されている状況は異常です。  さらに、問題なのは、暗証番号流出で悪用されるおそれがあることです。個人番号カード申請者は最大4種類の暗証番号を決め、交付窓口の端末に原則、申請者自身で入力してもらうことになるので、窓口の職員が知ることはありません。しかし、原因不明のシステム障害でカード交付が大幅におくれていることからの焦りからか、本市においても、申請者から暗証番号を聞き出し、職員が申請者のかわりに暗証番号を入力し、カードを利用可能にしてから申請者に郵送しています。  これまで国会では、カードを紛失しても暗証番号があるから悪用されないという趣旨の答弁をしていますが、本市の運用でも明らかなように、この前提が大きく崩れているのは言うまでもありません。  このような、ずさんな運用をせざるを得ないのなら、カード交付はもちろんのこと、カード普及に向けたPRも中止すべきです。よって、マイナンバー制度関連予算には反対です。  次に、コミュニティセンター管理運営費について、これは2016年度から5年間、引き続き、非公募により地域コミュニティ協議会をコミュニティセンターの指定管理者として指定し、それぞれの地域コミュニティ協議会に指定管理料を支払うもので、さきの12月定例会において可決されました。  しかし、一部の地域コミュニティ協議会においては、協議会会長・センター長・協議会役員などがかかわる不正会計処理に関する疑惑が起こっています。これらについては、現在、刑事告発されており、いまだに地域住民に対して説明責任を果たしておらず、不透明な会計処理が見直されていない状況です。  このような中、当該地域コミュニティ協議会をコミュニティセンターの指定管理者として指定することには賛成できず、よって、指定管理料についても反対です。  次に、県施行の椛川ダム建設事業の本市負担及び椛川ダム水源地域整備事業費7億9,000万円についてです。  人口減少が進み、一人一人の節水意識の向上から水使用料は大幅に減っているにもかかわらず、過大な水需要予測のもと、進められています。また、奥の池と、その周辺の井戸の開発により、1日最大1万立方㍍が確保できることから、ダム建設そのものの必要性が問われています。  さらには、新たに策定する塩江温泉郷活性化基本構想(仮称)には、椛川ダムを塩江地区の新たな観光資源として盛り込むことが明らかにされましたが、環境を破壊し、生態系を変えるコンクリートのダムを観光資源にすることに大いに疑問を感じます。このような椛川ダム建設には反対です。  また、同じく、県施行の高松港多目的国際ターミナル3万㌧バースについても、サンポートにある2万㌧バースの活用で十分なことから、不必要な事業への本市負担については反対です。  次に、議案第15号平成27年度高松市一般会計補正予算(第5号)、議案第26号高松市長等の給料その他給与支給条例の一部改正について並びに議案第27号高松市議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部改正についてです。  これは、2015年12月期における市長その他特別職職員並びに議員の期末手当の支給割合を人事院勧告に基づいて引き上げるものです。人事院勧告とは、国家公務員の一般職職員の給与その他勤務条件の改善及び人事行政の改善に関する勧告の総称であり、地方自治体の長または議員が人事院勧告に基づいて期末手当や給与・報酬などの引き上げを行うことは、何ら合理性がありません。また、2015年12月期という過去にさかのぼって差額を支給することについても、市民に納得のいく説明のできるものではありません。来年度予算で財政調整基金38億円を取り崩しておきながら、みずからの期末手当を第三者機関に諮ることもなくアップすることは、到底許されることではありません。  よって、議案第26号並びに議案第27号の条例一部改正、議案第15号中、関係部分について反対します。  次に、陳情第3号「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書」の採択を求める陳情についてです。  政府は、賃上げによる経済の好循環を目指すとしていますが、この実現には賃金上昇が欠かせません。  しかし、2015年の地域別最低賃金は、最高の東京で時給907円、香川県では719円であり、同じ仕事をしても時給で188円も格差があります。地方創生が叫ばれる中、若い労働者が東京などに流出してしまうことがないよう、まずは最低賃金の地域間格差をなくし、東京一極集中を是正すべきです。  また、本市経済を支えている中小企業への支援策の拡充も急がれることから、本市としても国に対して意見書を提出すべきと考えます。  次に、陳情第4号公契約条例の制定による適正賃金・労働条件の確保と地域経済の振興を求める陳情についてです。  農水省・国交省の調査によると、大工・鉄筋工など51職種の平均労務単価は1997年度から16年間で約3割下落しました。2013年度の約15%の引き上げや措置などにより、2015年にかけて労務単価は上昇しましたが、1997年水準には追いついていません。  市長は議会において、国において関係法令により整備すべきと答弁されていますが、市の責任のもとで労働者の適正な賃金・労働条件が確保されるべきで、公契約条例の制定は必要と考えます。よって、陳情第4号は採択すべきと考えます。  次に、陳情第5号国民生活の安全・安心を支える国の行政機関等の体制・機能の充実を求める陳情についてです。  まず、項目1について、道州制は税源が豊かで、社会基盤が整っている大都市圏への人口・富の集中を招き、地域間格差がますます拡大するものと懸念します。地方創生とは真逆であり、道州制には反対の意思表明をすべきです。  項目2について、政府は一億総活躍社会を掲げる一方、新たな定員合理化計画では、国家公務員の定数を2015年度からの5年間で10%以上削減することを決定しています。働く世代の活躍の場をどんどん奪っていく政府の姿勢には憤りしかありません。  以上のことから、陳情第5号は採択すべきと考えます。  以上で討論を終わります。


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